2022 Fiscal Year Research-status Report
引きこもり統合失調症者のためのSNSを使用したmHealth支援モデルの開発
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22K17597
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
冨澤 涼子 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 准教授 (70848358)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リカバリー / SNS / mHealth / 統合失調症 / 共同創造 / 地域生活 / 当事者 / 家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症当事者8名、家族5名、専門家3名からなるワーキンググループを立ち上げ、目標、ミッション、具体的なアプローチ法について議論を重ねた。「当事者、家族、専門家がともに新たなオンラインサービスの形を作り上げる」という目的の下で「自分自身の専門家になることを目指すことのできる場」、「これからの生活をより豊かにするための知恵や工夫を、当事者、家族、専門家がともに学びあえる場」という方向性に関するコンセンサスが得られた。具体的な手法として、自分自身の専門家を目指すWellness Recovery Action Plan(WRAP)、自分も相手も大事にするコミュニケーション法であるアサーショントレーニング、症状や生活の困難のパターンを客観視し、立ち向かう方法を見出す当事者研究、当事者と専門家が共同創造により問題解決に取り組むEmpowered SST、リカバリーの体験を語り、共有するリカバリーストーリー、当事者と家族の語りの場などが挙げられた。 初年度は、リカバリーストーリー(1回)、WRAP(6回)、アサーショントレーニング(1回)、リカバリーを語る会(3回)を実際に施行し、合計約150名の当事者、家族が参加された。また、講義の資料や動画を共有し、メンバーがいつでもアクセスできるような体制を整えるべく、ホームページの準備を進めている。ホームページやSNSを活用し、リカバリー志向の当事者による情報を発信し、必要な方がいつでもアクセスでき、かつ、当事者、家族、専門家の交流を通して互いに学びあえる場の創造を目指していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ワーキンググループを立ち上げ、目標やミッション、アプローチ法についてコンセンサスを得ることができた。また、蓄積した資料や講義動画を有効活用し、かつ、当事者によるリカバリー志向の手記や作品を掲載できるようホームページの準備を行っている。さらに、次年度の講義に関しては、今年度のフィードバックやワーキンググループメンバーからの意見に基づき、より当事者主体、学びあいの時間に焦点を当てることも決定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2年次は、初年次に蓄積した資料や講義動画を有効活用し、かつ、当事者によるリカバリー志向の手記や作品を掲載できるようホームページ作成を進めていく。まずは、当事者や家族にご協力いただきフォーカスグループインタビューを実施し、当事者や家族のニーズを十分に満たすことのできるコンテンツを決定するための探索的研究を実施する。当事者や家族、専門家がともに学び合えるだけでなく、統合失調症に対する社会の偏見を少しでも解消できるような内容も目指している。 さらに、初年度は講義形式の講座が多かったため、2年次は当事者による発表や当事者、家族、専門家が交流できる時間を設け、学びあいにも焦点も当てていく予定である。
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Causes of Carryover |
初年度は、新型コロナウィルスの流行による移動の制限により学会発表や講習会への参加を見送った。2年次以降に学会や講習会等に参加、発表予定である。さらに、必要な物品に関しては情報収集に時間を要したため、2年次以降に購入予定である。また、ホームページ作成業者の選定を行ったため、2年次以降に支出予定としている。
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