2023 Fiscal Year Research-status Report
引きこもり統合失調症者のためのSNSを使用したmHealth支援モデルの開発
Project/Area Number |
22K17597
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
冨澤 涼子 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (70848358)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リカバリー / SNS / mHealth / 統合失調症 / 共同創造 / 地域生活 / 当事者 / 家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
「当事者、家族、専門家が、これからの生活をより豊かにするための知恵や工夫をともに学びあえる場」を理念として掲げ、初年次に引き続き、当事者、家族、専門家が参加できるオンラインサービスを企画運営した。具体的には、当事者との対話を基軸にリカバリーを語り学びあう会、自分自身の専門家を目指すWellness Recovery Action Plan(WRAP)、ピアサポートの未来を語る会、当事者が体験から得た経験知を語り共有するリカバリーストーリー&交流会を実施した。また、アンケート結果から、リカバリー指向のオンライン介入で得た経験を当事者、家族の視点で質的に分析し、論文として投稿した。 次に、当事者、家族、専門家のためのリカバリー指向のオンライン介入の受容性、安全性、実現可能性、および、臨床的有効性をユーザー体験に基づき形成的に評価するために、アンケート及びインタビュー調査を実施した。その結果に基づき、3年次は内容面に変更を加え、SNSの利点を活かしたオンライン介入の最適な形を模索し、明らかにする予定である。 また、統合失調症にまつわる偏見や内なる偏見を少しでも解消するために、統合失調症当事者や家族、地域住民に向けて、リカバリー指向のメッセージをSNSやホームページを駆使して広く発信していく必要性もニーズとして挙げられた。そのため、リカバリー指向の当事者目線の体験談を募集し、必要な人に、必要なタイミングで、必要な情報が届くようなシステムを構築することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年次には、初年次に行ったリカバリー指向のオンライン介入を継続するとともに、どのような気づきや学びを得ていたのか、アンケート調査の結果を質的に分析することができた。さらに、リカバリー指向のオンライン介入の受容性、安全性、実現可能性、および、臨床的有効性をユーザー体験に基づき形成的に評価するために、アンケート、およびインタビュー調査を実施できた。その分析結果より、3年次に改善する方向性を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2年次には、リカバリー指向のオンライン介入の受容性、安全性、実現可能性、および、臨床的有効性に関する形成的評価の分析結果から改善点が見出された。3年次はその改善点に基づき、当事者、家族、専門家が日常的に学びあうことができるようSNS機能をより駆使した最適な形を明らかにしていく。さらに、その効果について当事者、家族の視点から質的に明らかにしていく。 さらに、統合失調症に対する社会の偏見を少しでも解消できるように、リカバリー指向のメッセージをSNSやホームページを駆使して広く伝えていく。そのため、当事者や家族からリカバリー指向の体験談を募集し、当事者の経験知を広く発信できる機能を有する場を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、学会等での発表の機会が制限され、旅費等の支出が想定よりも少なく、現状が生じた。次年度は学会発表や論文での発表ができるように助成金を使用したい。
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