2022 Fiscal Year Research-status Report
孤独・孤立予防を目指した作業機能障害に焦点を当てた介護予防プログラムの効果検証
Project/Area Number |
22K17599
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Research Institution | Kansai University of Health Sciences |
Principal Investigator |
藤井 啓介 関西医療大学, 保健医療学部, 講師 (70797381)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 社会的孤立 / 孤独 / 作業機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在,日本のみならず世界的に孤独・孤立が問題になっているが,孤独・孤立予防の指針は,具体的に示されていない.本研究は,「従来の運動中心の介護予防プログラムに“作業機能障害”に焦点を当てた介護予防プログラムを付加した新たな介護予防プログラムは,孤独・孤立の予防効果をもたらすか」という学術的「問い」を,3か月間の介入研究およびプログラム終了後3カ月・6カ月・1年・2年の追跡調査を実施する. 応募者は約4000名の大規模研究より“作業機能障害”が孤独・孤立と関連することを明らかにしている.作業機能障害とは「日常において生活行為が適切に行えずネガティブな経験をしている状態」をいう.本研究は,「従来の運動中心の介護予防プログラムに“作業機能障害”に焦点を当てた介護予防プログラムを付加した新たな介護予防プログラムは,孤独・孤立の予防効果をもたらすか」という学術的「問い」を,3か月間の介入研究およびプログラム終了後3カ月・6カ月・1年・2年の追跡調査を実施し,明らかにすることを目的とする. 2022年度には作業機能障害に焦点を当てた健康講話(約20分×12回分)を作成し,研究協力者に意見をもらいながら修正をおこなった.ただし,2022年度下半期に介護予防事業に参加している地域在住高齢者50名を対象に作成した健康講話を実施し,アンケート調査をおこない,さらに健康講話内容を修正する予定であったが,研究フィールドの自治体の方針によって,2023年度に延期することとなった. しかし,既存データを活用し,作業機能障害,孤独感,社会的孤立,メンタルヘルスがどのような関連性をみとめるのかを検討した結果,作業機能障害から孤独感への直接効果はメンタルヘルスを介する間接効果よりも影響が大きかった.他方,作業機能障害から社会的孤立への直接効果はメンタルヘルスを介する間接効果とほぼ同等であることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究フィールドである自治体の状況および所属機関の都合によって,2022年度に実施予定であった健康講話の実施およびアンケート調査を実施できなかったなったため,研究全体の達成度は遅れているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に実施予定であった健康講話およびアンケート調査を実施し,健康講話の修正を図り,健康講話を完成させ,なるべく早急に介入研究を実施する.また,実施可能なフィールドを拡げていくことを検討する.
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Causes of Carryover |
2022年度は健康講話およびアンケート調査の実施が困難であったため,2023年度に計画を延期させることとなった.したがって,そこに充てていた費用を2023年度に計上している.
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