2022 Fiscal Year Research-status Report
慢性腰痛症例の体幹回旋方向の外乱に対する姿勢保持能力への運動療法による介入効果
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22K17605
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大須賀 聡 北海道大学, 保健科学研究院, 客員研究員 (90884180)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 慢性腰痛症 / 外乱動揺 / 姿勢 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腰痛症例では外乱に対する姿勢保持能力に低下が認められており、姿勢保持能力は体幹筋反応と密接に関連していると考えられる。本研究では慢性腰痛症例の外乱動揺に対する体幹筋反応および姿勢保持能力へ効果的な運動療法を明らかにすることを目的としている。外乱動揺への体幹筋反応と姿勢保持能力の改善方法を確立することは、慢性腰痛症の治療に寄与するものと考えられる。また、本研究にて使用する運動療法は特別な機器を必要としないため、慢性腰痛症の予防に対しても広く活用されることが期待される。 令和4年度は体幹へ外乱動揺を与える装置を用いて、表面筋電計および装着型センサーを用いて測定が可能であるかを確認した。また、装着型センサーを用いた動作解析手法を検討し、妥当性を評価した。健常成人14例に対し、頭部および背部にセンサーを装着する頭頚部運動評価システムと光学式三次元動作解析装置にて頭頚部運動を測定し、2つの測定方法による測定値を比較した。結果として、屈曲、伸展、右側屈、左側屈、右回旋、左回旋の6方向における頭頚部運動にて有意な相関が認められた。屈曲(r=0.932、R^2=0.869)、伸展(r=0.963、R^2=0.27)、左側屈(r=0.787、R^2=0.619)、右回旋(r=0.722、R^2=0.521)、左回旋(r=0.757、R^2=0.573)では高い相関が認められ、右側屈(r=0.693、R^2=0.481)では中等度の相関が認められた。以上より本評価システムにて解析される頭頚部運動の値は一定の妥当性を有することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定していた計測、解析方法の検討は順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,慢性腰痛症例を対象として、外乱に対する体幹動揺と体幹筋反応の関連を検討し、体幹動揺に関連する体幹筋を同定することでどのような運動療法により外乱に対する姿勢保持能力の改善が期待できるか検討する予定である。
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Causes of Carryover |
令和4年度は測定、解析方法の検討を行った。次年度は慢性腰痛症例を対象とした測定を予定しており,被験者謝金として使用する予定である.
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