2023 Fiscal Year Research-status Report
臥位で評価可能な体組成評価は脳卒中の予後を予測できるか?
Project/Area Number |
22K17607
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 陽一 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90936741)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 体組成評価 / 脳卒中 / 急性期 / 機能的予後 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中急性期は、循環動態不良や意識障害をはじめとする様々な障壁により、詳細な身体機能評価が行えないことがある。一方で発症早期から機能的予後を予測することは円滑な退院マネジメントを進めることに貢献できる。しかしながら、これまでの報告では、機能的予後と歩行能力やバランス機能が関連することが知られているが、これらの指標は上述のような循環動態不良や意識障害のある状況下では評価が困難である。 ベッド上で非侵襲的に測定可能な体組成評価は、簡便かつ安全に実施でき、循環動態や意識レベルなども問題も克服できる指標である。この指標から、脳卒中患者の機能的予後を予測することができれば、急性期の身体機能評価が困難な病期においても有効な予後予測指標になると考えられる。本研究では、急性期脳卒中を対象に、入院後早期の体組成評価と機能的予後の関連を明らかにすることを目的とした。 本年度は、入院中に体組成評価や筋力の指標が低下する入院関連サルコペニアの予防に対する介入方略について検討した。その結果、入院中に十分なエネルギーを摂取することとリハビリテーション時間の充実が入院関連サルコペニアを予防することを明らかにした。さらに、体組成評価指標の一つであるPhase angleの入院中の変化量も、急性期脳卒中患者の退院時の日常生活動作や筋力、筋肉量と関連することを明らかにした。 一方で、欧州臨床栄養代謝学会と欧州肥満学会より、サルコペニア肥満の診断基準が発表された。この診断基準には体組成評価指標が含まれることから、脳卒中患者におけるサルコペニア肥満の急性期病院退院時の機能予後に与える影響を検討した。その結果、サルコペニア肥満は退院時の日常生活動作能力とは統計的には関連しないことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、データ収集や学会発表の予定に変更が生じた。しかしデータ解析に十分なデータ数は確保でき、論文発表まで取り組むことができた。アンケートの収集も開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、入院中の体組成評価指標の変化が機能的予後に与える影響を検討した。2024年度はアンケートの返答結果を基に、入院中の評価指標が退院後の機能的予後に与える影響を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で対面式での学会が少なく、旅費が抑えられたことにより、次年度使用額が生じた。対面式の学会も再開されるため、旅費として研究費を活用する。
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