2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K17628
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
仁藤 充洋 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (70732692)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 経頭蓋磁気刺激 / 運動学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、頚部脊髄へのランダムノイズ刺激(tsRNS)による中枢神経系および運動機能への影響について検証し、リハビリテーションへ応用するための基礎的知見を得ることを目的としている。 2年目である2023年度は、2022年度に明らかにした、皮質脊髄路興奮性を増大させることのできるtsRNSの刺激設定を用いて、皮質脊髄路興奮性増大に関わる神経機構を特定するために健常者を対象に研究を実施した。その結果、tsRNSは、大脳運動野に対する2連発の経頭蓋磁気刺激により評価される短潜時皮質内促通を増大させる一方、短潜時皮質内抑制には有意な変化を認めなかった。また、末梢神経電気刺激と経頭蓋磁気刺激により評価される短潜時求心性抑制にも有意な変化を認めなかった。以上の知見から、tsRNSは大脳皮質内の促通性経路の活動を増大することが示唆された。 次に、運動パフォーマンスを評価するために、つまみ力の強さでカーソルの高さを変動させることで目標物を追従させる視覚追従課題を作製した。この課題を用いて予備実験を行い、全ての被験者でトレーニングによりパフォーマンス改善を認めること、20分間のトレーニングでその改善がプラトーに達することなどを確認した。現在、この課題を用いて、被験者をtsRNS群と偽刺激群に振り分けて運動トレーニング中にこれらの刺激を組み合わせ、運動パフォーマンスおよび脳と脊髄の同期的神経活動に与える影響について検討しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、順調に研究を遂行することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
運動パフォーマンスへの効果について検討するために、更に被験者を募集して実験を進めていく。また、本研究の成果をまとめて国際学術誌へ投稿する。
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Causes of Carryover |
本研究の成果発表に掛かる英文校正費や掲載料が残額として生じている。次年度に研究成果発表のために使用する予定である。
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