2023 Fiscal Year Research-status Report
Effect of divergence between body schema and body image on gait relearning
Project/Area Number |
22K17630
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
内富 寛隆 東京工業大学, 情報理工学院, 特任准教授 (30886932)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | 身体図式 / 身体像 / 歩行運動 / 運動再学習 / 認知運動療法 / 人工知能 / 運動計測 / 身体感覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、身体図式と身体像の乖離が歩行運動の運動再学習過程に及ぼす影響の解明するために、第2年度(2023年度)は昨年度に引き続き、研究項目1「歩行運動における身体図式と身体像の乖離の評価」と研究項目2「身体図式と身体像の乖離に基づく外的フィードバックが歩行運動に及ぼす影響の分析」を並行して進めてきた。 研究項目1においては身体図式と身体像が乖離した状態における身体の運動の評価を更に推進した。具体的には、ヘッドマウントディスプレイを介した仮想空間において実身体と等身大の仮想身体を表示し、実身体の姿勢に対して仮想身体の姿勢を相違させることで身体図式に対して身体像を乖離させ、この時の実身体の運動特性を、光学式モーションキャプチャーシステムを用いて評価した。その結果、仮想身体の姿勢が実身体と一致して運動した場合と比較して、仮想身体の姿勢が実身体と相違した場合では、自己身体認知が変化するとともに、実身体の運動軌道が変化することが示唆された。 研究項目2においては身体図式と身体像の乖離に基づく外的フィードバックのシステムの開発を更に推進した。具体的には、2022年度の成果であるIMUセンサを用いた歩行計測システムを発展させ、カメラ画像とフュージョンすることで、オクルージョンに対してロバストに歩行時の全身の運動を計測可能なシステムを開発した。また、IMUセンサを用いた歩行分析に基づいて外的フィードバックを行う仮想身体を生成可能なアバターシステムの開発を開始した。今後着手予定の研究項目3としての「身体図式と身体像の乖離が緩和することによる運動再学習過程への有効性の調査」の予備的検討として、IMUセンサに基づく歩行分析を用いて、股関節疾患患者の歩行特性の調査も行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標は、身体図式と身体像の乖離が歩行運動の運動再学習過程に及ぼす影響の解明することであり、第2年度(2023年度)は、(1)身体図式と身体像が乖離した状態における身体の運動を評価すること、および(2)IMUセンサを用いた歩行計測システムを発展させることで外的フィードバックを生成するためのシステムの技術基盤を確立することに成功した。その結果、おおむね想定通りの成果を達成することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
第3年度(2024年度)は、第2年度(2023年度)の成果である技術基盤を発展させ、仮想現実空間および拡張現実空間の技術を活用して歩行運動に対して外的フィードバックを行うシステムの開発を行う。そのうえで、研究項目2としての身体図式と身体像の乖離に基づく外的フィードバックが歩行運動に及ぼす影響の分析を継続的に推進してまとめ、研究項目3の基礎検討につなげる予定である。
|
Causes of Carryover |
本年度において当初想定していた実験の予定が実験参加者等の都合により後倒しとなり、次年度に実施する予定とした。したがって、次年度の実験実施に必要となる備品購入および旅費等に使用する計画とした。
|