2023 Fiscal Year Research-status Report
Recovery of interjoint coordination during reaching from standing in subacute stroke
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22K17637
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
冨田 洋介 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (10803158)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 運動制御 / 立位 / リーチ / 姿勢制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中患者18名、健常高齢者13名での測定を完了した。カメラ台数の制約から、48個のマーカーを用いたフルボディのUCM解析は実施することができなかった。得られたデータの解析は順調に進んでおり、脳卒中患者の立位リーチにおいて、予測的姿勢調節の変調が観察された。特に脳卒中患者の予測的姿勢調節の変調は、リーチ開始前の足圧中心の移動距離および速度が低下によって特徴づけられていた。脳卒中患者では予測的姿勢調節の低下によって、リーチ終了時間が遅延しており、オーバーシュートエラーが多く生じていた。慣性の異なる多くの身体体節が総動員される立位リーチにおいては、リーチ開始前に予測的姿勢調節が適切に作用することでリーチ精度が保たれる一方で、脳卒中患者において予測的姿勢調節の低下は、リーチの正確さを示す指標に関連していることが明らかとなった。このことから、脳卒中患者が抱える立位リーチの困難さには予測的姿勢調節の変調も関連している可能性が示唆された。課題としては、48個のマーカーを用いて多関節協調性の解析手法であるUCM解析を臨床場面で実施することは現状のリソースでは困難であるケースが多々あったことである。リーチ動作における多関節協調性の測定手法を今後検討する必要がある。 当該年度中に、本研究の結果が査読付き原著論文として国際誌Neurorehabilitation and Neural Repairに掲載された。また本研究の結果に関連した内容を国内雑誌3編に総説が掲載された。また本研究に関連する内容を国内学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳卒中患者18名、健常高齢者13名での測定を完了し、解析も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたデータの解析を進めるとともに、UCM解析に代替する多関節協調性の指標を開発するための予備実験を継続する。
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Causes of Carryover |
人件費が生じなかったため余剰が生じた。次年度においては実験の消耗品および旅費で使用予定。
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