2022 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病患者の足部の身体特異性注意の変容メカニズム解明
Project/Area Number |
22K17643
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
会津 直樹 藤田医科大学, 保健衛生学部, 助教 (80780775)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 身体特異性注意 / 糖尿病 / 健常者 / バランス / 感覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
2型糖尿病患者の中には、足部に外傷、靴擦れ、低温熱傷による潰瘍が形成されたとしても適切に治療せず放置し、結果、切断に至るケースが存在する。このように、自己身体に悪影響が生じているのにも関わらず、あたかも自己身体を無視しているかのような行動をとるが、足部に対してどの程度、注意が向けているのか明らかではない。我々は自己身体に対する注意を身体特異性注意と定義し、視覚刺激検出課題を用いて客観的定量的に測定できることを世界で初めて明らかにした。本研究では、2型糖尿病患者の足部の身体特異性注意の変容を明らかにし、さらにその神経基盤を明らかにすることを目的とする。実際には、視覚刺激検出課題を用いて2型糖尿病患者の足部の身体特異性注意を測定する。比較対象として健常者の身体特異性注意を測定する。さらに、糖尿病患者と健常者の身体特異性注意を測定する際の脳波活動を記録し、身体特異性注意の変容の脳領域を特定する。この研究が進むと、糖尿病患者の足病変の発症の原因の一つとして身体特異性注意の変容が関与することを示すことができる。さらに、身体特異性注意の神経基盤が明らかになれば、近年使用されている非侵襲的脳刺激である経頭蓋磁気刺激法(Transcranial Magnetic Stimulation: TMS)や経頭蓋直流電気刺激法(Transcranial Direct Current Stimulation:tDCS)を用いた脳修飾法を用いる介入研究に繋がる。これらの研究が進むことで糖尿病患者の足病変の罹患率が低下すること、さらに、足病変を有した患者においても介入することで下肢切断を予防し、医療経済の圧迫を防止する可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
糖尿病患者29名の身体特異性注意の測定を終えた。加えて、糖尿病の罹患期間や足部の感覚機能、足部皮膚温、活動量、生化学検査(HbA1c)等のデータを取得した。データ解析を現在行っている。 加えて、健常者30名の身体特異性注意の測定を終え、加えて、バランス能力、足部の感覚機能、活動量等のデータを取得した。データ解析を現在行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
測定済みのデータを解析し、検討していく。結果が出次第、学会発表、論文化していく。 2022年度に脳波計を購入したので、予備実験を含めて実施していく予定である。合わせて、解析方法の検討を進めていく。
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