2022 Fiscal Year Research-status Report
足関節捻挫の治療に足部内在筋のトレーニングは役立つか
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22K17650
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小宮 諒 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (50911525)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 足関節捻挫 / 足部内在筋 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は足部内在筋の運動効果の検証方法の確立に向けて,超音波画像診断装置を活用した方法の検証を実施した。本結果は国際論文でも公表した。また,国内外の学会でも関連結果の報告を実施した。主な結果としては,母趾外転筋,短趾屈筋,足底方形筋,短母趾屈筋を対象筋とした際に足趾把持の運動後にすべての筋で筋の腫脹が確認された(母趾外転筋:pre 213.11±48.84 mm2,post 228.38±51.54 mm2,短趾屈筋:pre 196.96±41.90 mm2,post 215.75±45.95 mm2,足底方形筋:pre 91.64±21.21 mm2,post 105.12±24.98 mm2,短母趾屈筋:pre 208.23±48.13 mm2,post 224.61±46.08 mm2)。また,筋肉で変化の割合が異なり,個々の筋肉の運動効果を評価できる可能性があることがわかった。さらに,母趾外転筋では即時的な内側縦アーチの高さの変化とも関連することもわかった(r=0.54,p<0.01)。現在は,当初の計画である健常群と捻挫経験群の足部内在筋を含む足関節周囲筋の筋の弾性と筋形態の違いの比較検討に向けても,データ収取と解析を続けている(現在14名の測定済み)。また,令和5年度と令和6年度で筋電図法を用いた評価を検討していたが,自然な動作に支障をきたす可能性があることがわかり,アウトカムの一部を動作解析による足部の動きの変化を確認する方向へと修正しており,令和4年度はこちらの測定方法の検証なども並行して進めてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度に検討していた足部内在筋の運動効果の検証方法に関しては当初の予定通り順調に進み,運動効果の確認方法も含めて,論文化も達成した。もう1つ予定していた足関節捻挫後の内在筋の筋形態の変化の有無の判断については,測定機器のカプラーの素材に関して業者とのやりとりでデータの正確性の担保までに想定以上に時間がかかり,現状14名の対象者のデータ収集までにとどまっている。ここから,追加のデータ収集と解析を加速的に進めて介入検討までつなげていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は足部内在筋の運動効果の検証方法まで達成した。足関節捻挫後の内在筋の筋形態の変化の有無については,現状結論が出せていないためまずは測定を継続してデータ解析を進めていく。令和5年度は足関節捻挫後の内在筋の筋形態の変化の有無についての確認と健常者を対象とした介入研究により運動効果の検証を行う。最終年度は当初の予定通り実際に足関節捻挫後の方を対象として介入研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
おおむね交付金額と同程度の使用ができたが,英文校正費,交通費,購入物品の金額の変動によりわずかに次年度使用額が生じた。2023年度使用予定の購入物品で調整されると考えている。
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