2022 Fiscal Year Research-status Report
腱板断裂の重症度に関連する肩関節動態および筋機能変化の解明
Project/Area Number |
22K17653
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
榊 善成 札幌医科大学, 保健医療学部, 訪問研究員 (50554549)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 腱板断裂 / 肩関節周囲筋 / 筋活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、腱板断裂の重症度に関連する肩関節周囲筋の筋活動および肩関節動態変化の解明に向けて、整形外科病院で初回腱板断裂と診断された60例の男性症例を対象に、肩関節挙上・下制運動における肩関節周囲筋の筋活動を評価した。運動課題は、肩関節下垂位から肩甲骨面120°外転運動と、肩甲骨面120°外転位からの肩甲骨面120°内転運動とした。運動課題は、床に対して垂直に設置したアルミニウム製の棒に沿って行った。運動課題の角速度は30°/秒とし、角速度は電子メトロノームの音に合わせて保持した。運動課題は3回行った。棘下筋、三角筋前部線維、三角筋中部線維、僧帽筋上部線維、僧帽筋中部線維、僧帽筋下部線維、前鋸筋は、筋電位測定器 (TeleMyo 2400 G2 Telemetry System,Noraxon社) を用いて筋活動を測定した。肩関節角度の測定は、エレクトロゴニオメータ (Electrogoniometer,Noraxon社) を用いた。 統計学的解析には、測定側要因 (健側、患側)、挙上角度相要因 (0°-30°、30°-60°、60°-90°、90°-120°)の二元配置分散分析を実施した。要因の主効果が有意である場合、その後の検定としてBonferroniの方法で多重比較検定を行った。患側の各筋活動量と腱板断裂の重症度 (Tangent sign、Goutallier分類、断裂サイズ) との関連を明らかにするために、患側の各筋活動量を目的変数、腱板断裂の重症度の各アウトカムを説明変数とした回帰分析を実施した。いずれも有意水準は5%とした。 その結果、腱板断裂により三角筋前部・中部線維と棘下筋が健側と異なる活動を示すことが明らかになった。さらに、断裂サイズの重症度が棘下筋の筋活動に影響力を持つことが示された。 したがって、三角筋前部・中部線維と棘下筋の機能改善が、リハビリテーションにおいて重要である可能性がある。また、断裂サイズの重症度に応じて機能的予後を推定できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
被験者数は未だ十分ではないものの、順調に進んでいる。研究結果の一部は今年度国内学会にて発表予定である。腱板断裂症例の計測は今後も予定されており、データ計測・解析を進めていく計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、前年度から実施している腱板断裂症例のデータ計測・解析を引き続き進めていく計画である。一部結果は、学術大会および国内外の論文で公表する予定である。
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Causes of Carryover |
参加予定であった学会への不参加、および論文校正費の未使用のために、予定より執行額が少なかった。2021年度の研究経費は、申請時に記載した使途に加えて、解析用物品や消耗品の購入、学会発表、論文投稿時の費用に充てる予定である。
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