2022 Fiscal Year Research-status Report
Effects of chronic exercise on high fructose-induced organ damages in Dahl salt-sensitive rats
Project/Area Number |
22K17656
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
XU LUSI 東北医科薬科大学, 医学部, 研究補助者(臨時職員) (20897847)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 循環器・高血圧 / 腎臓 / フルクトース |
Outline of Annual Research Achievements |
フルクトース過剰摂取はメタボリック症候群や血管・心臓・腎臓等で多臓器障害を惹起するが、その病態生理の詳細やフルクトース自体が腎障害や脂肪性肝障害の重要な危険因子となることが近年明らかになってきた。食塩感受性高血圧は非感受性高血圧にくらべて慢性心不全や慢性腎臓病を惹起し易いことが知られている。正常食塩摂取下であっても、Dahl食塩感受性(Dahl salt-sensitive; DS)ラットが高フルクトース食餌(HFr)摂取によって心・腎障害が増強する新たなモデルとなることをすでに報告しているが、長期的運動の効果についてはまだ不明である。そこで、HFr摂取下のDSラットにおける長期的運動の効果を検討した。 HFr摂取により収縮期血圧、アルブミン尿、クレアチニンクリアランスが増加し、長期的運動はそれらの増加を抑制した。HFr摂取により糸球体硬化、糸球体上皮障害、腎間質線維化が惹起され、長期的運動はそれらを抑制した。HFr摂取によりアンジオテンシノーゲン、レニン、アンジオテンシン変換酵素(ACE)、アンジオテンシンII 1型(AT1)受容体の腎内発現が増加し、長期的運動はACEの発現のみを回復させた。また、HFrによりACE2、アンジオテンシンII 2型(AT2)受容体、Mas受容体の腎内発現が減少し、長期的運動はACE2とMas受容体の発現を回復したが、AT2-Rの発現をさらに低下した。 これらの結果から、HFr摂取下のDSラットにおいて長期的運動は強力な降圧・腎保護効果を示し、その効果には腎内レニン―アンジオテンシン系の改善の関与が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的である長期的運動の臓器障害への有効性とその機序の解明に関して、高フルクトース摂取下のDahl食塩感受性ラットにおいて長期的運動が強力な降圧・腎保護効果を示すこと、また、長期的運動の降圧・腎保護効果の機序に、腎内レニン―アンジオテンシン系の改善が関与することを明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度に実施した高フルクトース摂取下のDahl食塩感受性ラットにおける長期的運動の臓器保護効果の機序の詳細を解明すると共に、令和5年度は、高フルクトース摂取下のDahl食塩感受性ラットにおいて、運動と同様にメタボリック症候群に有効なフィブラート系高脂血症薬の効果を比較検討し、長期的運動の多面的効果を明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 次年度使用額が、今年度の研究を効率的に推進したことにより発生した未使用額である。 (使用計画) 令和5年度請求額と合わせ、HFr摂取下のDahl食塩感受性ラットにおいて、フィブラート系高脂血症薬の効果を比較検討するために使用する。
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