2023 Fiscal Year Research-status Report
間質性肺疾患の横隔膜動態と換気応答との関連,呼吸筋トレーニングの確立
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22K17664
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
白石 匡 近畿大学, 大学病院, 技術職員 (20832827)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ILD / 横隔膜 / 運動耐容能 |
Outline of Annual Research Achievements |
COPDとILDは呼吸困難をきたす疾患の代表であるが,両疾患の病態は大きく異なる.したがって本研究では,運動時呼吸困難の主な原因と考えられている動的肺過膨張とも関連が強いことを報告した。 本年度において,COPD患者のDEmaxに対する吸気筋トレーニング(IMT)の効果を検証した。 【方法】非盲検ランダム化比較試験で,対象は安定期COPD患者34名である.一定期間の運動プログラム施行後,IMT群,非IMT群の2群に無作為に割付けし,在宅で自主トレーニングに加えてIMT/非IMTを12週実施した.主要評価項目をIMT介入後のDEの変化,副次評価項目を運動耐容能(Peak VO2)の変化として解析した. 【結果】解析対象は27名(年齢;75.8±4.0歳),IMT群は14名(FEV1;1.56±0.49ml),非IMT群は13名(FEV1;1.49±0.51ml).運動プログラム後のΔDE,ΔPeak VO2には両群で有意差はなかった.IMT施行前後でΔDE(IMT群;10.7±5.1mm,非IMT群;-0.45±1.0mm,p<0.01),ΔPeak VO2(IMT群;1.31±0.9 ml/min/kg,非IMT群;0.20±1.5 ml/min/kg,p<0.01)と有意にIMT群で改善した. 【結論】IMTはDE,運動耐容能の改善に寄与する可能性があることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年~2023年度においてはILD患者に関しては目標症例である20例のデータ集積は完了している。研究対象は近畿大学病院に通院中のILD患者とCOPD患者,CPFE患者で研究内容を説明し 同意を得た者とする.目標症例数は60名(各群20名)と設定している。現時点においてILDの目標症例数は担保できているがCPFE患者の集積にやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
近畿大学病院では対象となるCOPDやILD症例が多く,常時500名以上が通院しており,症例集積は十分実行可能である.呼吸器・アレルギー内科との連携もこれまでの共同研究で確立しているため、今後、CPFE患者の集積に関しても進めていく。データ集積が完了したのちは直ちにデータ解析を行い、学会発表並びに論文執筆にとりかかる予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症蔓延のため、RCT研究の参加患者数が確保できておらず、予定よりも遅くなっていること。また、国際学会発表や雑誌投稿が遅れているため。 使用計画:現在、論文執筆中であり、2024年度に掲載料にて支出予定である。研究結果を国際学会にて発表予定のため、旅費や参加費として使用する予定である。
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