2022 Fiscal Year Research-status Report
高強度運動後低血圧のメカニズム解明に関する研究-新運動処方開発へ向けて-
Project/Area Number |
22K17669
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
土橋 康平 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (80912550)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 動脈血二酸化炭素分圧 / 運動後低血圧 / 呼吸性アルカローシス / 運動後失神 |
Outline of Annual Research Achievements |
今日、競技力向上に加え、短時間で効率的に体力向上や健康増進(e.g., 心循環機能向上、脂質の減少など) を図る手段として、一般人からアスリートの間で高強度の運動を複数回繰り返す高強度間欠的運動が広く行われている。一方で、高強度運動後には動脈血圧が運動前より低下する運動後低血圧が生じ、起立性失神やそれに伴う骨折や硬膜下血腫などが生じる危険性がある。特に、起立性失神は高強度運動直後に約6割以上発生する可能性があることから、その原因の1つである運動後低血圧が生じるメカニズムの解明およびその対策を早急に講じる必要がある。しかしながら、高強度運動後の低血圧が生じるメカニズムやその対策法は依然として不明である。高強度運動後には代謝量以上に換気が亢進する過換気が生じ、二酸化炭素(CO2) が体外に過剰に排出され動脈血CO2分圧が低下する。そこで、本年度では動脈血CO2分圧の低下が高強度運動後の低血圧に及ぼす影響を検討するため、健康な成人18名 (女子4名)を対象とし、30秒間の短時間高強度運動を3回繰り返す高強度間欠的運動後の循環応答(動脈血圧、心拍数、心拍出量など) を①運動後に過換気を行い、動脈血CO2分圧を低下させる条件 (低CO2)、および②運動後に高濃度のCO2を吸入して動脈血CO2分圧を安静時レベルに維持する条件 (通常CO2) の2条件で検討した。 低CO2条件では、運動後に低血圧が見られたのに対し、通常CO2条件では運動後低血圧が消失した。これらの結果から、高強度運動後に見られる低血圧には、動脈血CO2分圧が関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度においては、研究課題1で設定した運動後の過換気によって生じる動脈血CO2分圧の低下が運動後低血圧に及ぼす影響について着実に研究を推し進めた。現在は国際学会へ発表予定であり (ACSM 2023)、国際雑誌への投稿へ向けて論文を執筆中である。さらに、研究課題3について運動後の呼吸コントロールの換気量を設定している段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では、研究課題2 (動脈血CO2分圧の低下は静脈血中ヒスタミン濃度増加や自律神経活動の変化を介して運動後低血圧を引き起こすのか) を2年目に行う予定であったが、測定機器の動作不良が生じているため、3年目の計画を前倒しで行う (予備実験を行っている最中)。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] Hyperthermia-induced hyperventilation in individuals with spinal cord injury performing intermittent exercise in the heat2023
Author(s)
N Fujii, E Ito, A Katagiri, K Dobashi, T Mieda, M Saito, S Nagata, Y Sawae, K Watanabe, Y Shimizu, T Nishiyasu
Organizer
ARIHHP Human High Performance Furum 2023 -Next Step in Collaborative Research at ARIHHP-
Int'l Joint Research
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[Presentation] Effect of cold air inhalation on body temperatures in individuals with spinal cord injury performing intermittent exercise in the heat.2023
Author(s)
E Ito, A Katagiri, K Dobashi, T Mieda, T Nishiyasu, M Saito, S Nagata, Y Sawae, K Watanabe, Y Shimizu, N Fujii
Organizer
ARIHHP Human High Performance Furum 2023 -Next Step in Collaborative Research at ARIHHP-
Int'l Joint Research
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