2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K17696
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐伯 純弥 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00914152)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アキレス腱 / ストレッチング / トレーニング / 腱スティフネス / 筋腱複合体 / 超音波エラストグラフィ |
Outline of Annual Research Achievements |
腱組織に対するトレーニング手法として、スタティックストレッチングによる伸張刺激をアキレス腱に長期的に与えることで、腱の形態・力学的特性が変化するかを検討することを目的とした。 健常若年男性14名を無作為に介入群と対照群に割付し、介入群には週3日、6週間のスタティックストレッチング介入を行った。介入前後にアキレス腱の形態・力学的特性の評価を行った。力学的特性の評価として、超音波撮像装置のせん断波エラストグラフィ機能を用い、アキレス腱の弾性率を測定した。さらに、アキレス腱形態の評価として、超音波Bモード横断画像から組織の横断面積を算出した。伸張耐性の指標として、関節可動域を測定した。関節全体の硬さの指標として他動的に足関節を背屈した際の関節角度-受動トルク曲線の傾きを測定した。 アキレス腱弾性率と関節可動域は介入群のみ、介入後に有意に増加した。動物を用いた先行研究では、ストレッチングで伸張刺激を長期的に与えることでアキレス腱のコラーゲン含有量と硬さが増加したと報告されており、本研究においても同様の適応が起こった可能性がある。さらに、可動域が増加したことから伸張耐性が増加したことが考えられる。横断面積および関節全体の硬さについては主効果、交互作用ともに認められず、介入効果は認められなかった。本結果はアキレス腱のトレーニング手法開発の一助となることが期待される。 これらの内容を第21回 日本電気生理運動学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定において1年目はクロスオーバー比較試験を行う予定であった。対象部位の変更はあったが、1年目からRCTによる介入研究を行うことができたため、当初の予定よりも進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は1年目で行った研究の論文化を行うとともに、対象部位や対象年代を拡大し、さらなる研究を行う。
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Causes of Carryover |
統計ソフトなどの物品を他の研究費で購入したため、当初の予定よりも支出が抑えられた。次年度は研究者の所属機関変更に伴い使用可能な装置が変化したため、1年目で使用しなかった予算を必要な装置の購入に充てる。
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