2022 Fiscal Year Research-status Report
Influence of foot strike patterns on the behavior of muscle-tendon units during running
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22K17703
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
鈴木 崇人 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (20638960)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 走行経済性 / 前足部着地 / 踵着地 / 筋電図 / 超音波画像 / モーションキャプチャー |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトには走行時に前足部着地や踵着地といった着地方法を意識的または無意識的に変化させるという特徴がある。またヒトは走速度の増大に伴って着地方法を踵着地から前足部着地に変えることが報告されている。本研究は全体として、先行研究の少ない時速18km以上の速度における着地方法の影響も含めて検討することで、下腿三頭筋の筋束の動態や筋活動および酸素摂取量などの測定を合わせて、着地方法が走行のエネルギー効率に影響を与える筋生理学的メカニズムを明らかにすることを目的とする。 2022年度では、時速15kmと19kmの速度において、前足部着地または踵着地で走ることで、着地方法が酸素摂取量と下腿の筋活動に与える影響とその速度依存性を検討するための実験を行った。踵着地と比較して前足部着地では時速15kmと19kmの速度のどちらでも表面筋電図法から判定した接地期の前脛骨筋の活動が低下したが、酸素摂取量に変化がないという結果になった。先行研究では時速14.4km以下では前足部着地よりも踵着地の方が走行のエネルギー効率が良いと報告されていたが、本研究の結果は多くの人が無意識的に前足部着地を選ぶようになる時速19kmに近い速度では前足部着地と踵着地の走行経済性が変わらないことを示唆している。 さらに、超音波画像診断装置のプローブをアキレス腱上に固定するための固定具を3Dプリンターによって作成し、モーションキャプチャーシステムと併せて使用することで、時速20kmから時速28kmにおける着地方法がアキレス腱と腓腹筋内側頭の筋束の動態に与える影響を非侵襲的に検討する実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2022年度は計画した実験の内、着地方法と酸素摂取量の関係を検討する実験と、着地方法と下腿三頭筋の筋腱複合体の動態の関係を検討する実験を行った。特に前者は解析もほぼ終えている。 先行研究において時速18km以上の速度での着地方法と酸素摂取量の関係が明らかではないが、それは運動強度が高いためにそのような実験を遂行できる被験者の確保が困難であることが一因である。本研究では神奈川大学陸上競技部の協力を得て、熟練者16名を被験者として実験を行った。ただし、当初は時速20km以上の速度も含めて多くの速度で実験を行うことを想定していたが、安定して実験を終えられることを優先し、速度は15kmと19kmのみに変更した。また足の着地の判定を感圧センサーによって行うことを想定していたが、実験後にセンサーの感度の問題が発覚し、着地の判断は足に貼付した反射マーカーの位置データから判定する方針に変更した。これをもとにして筋電図の解析を行い、暫定的な結果を出しているが、位置データからの着地の判定方法は検討中である。 また時速20km以上の速度における着地方法と下腿三頭筋の筋腱複合体の動態の関係を検討する実験を行ったが、アキレス腱長は当初構想した湾曲を考慮したものではなく、アキレス腱の筋腱移行部と骨への付着部位を直線として計算することにした。これは超音波画像診断装置のプローブと骨への付着部位の間隔が狭く、間に反射マーカーを貼付することが困難だったためである。 実験方法の一部を変更したものの、四年間で計画した四つの実験のうち二つの実験を行ったため、当初の計画以上に進展している、と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
時速15kmと19kmの走速度における着地方法と酸素摂取量の関係を検討する実験の解析において、足に貼付した反射マーカーから着地を判定する方法が問題となっていた。現在は、立位時の反射マーカーの高さを基準に判定しているが、先行研究に合わせてランニングサイクルでの反射マーカーの下方向速度から判定する方法を採用することも検討している。着地の判定方法を決定して解析を進めて学術誌に発表する。先行研究の結果と併せて考えると、時速15km未満の速度では前足部着地よりも踵着地の方が走行経済性が高く、時速15kmから19kmの速度では着地方法によって走行経済性は変わらないが、さらに高い速度では着地方法が走行経済性に影響を与える可能性がある。そのため、当初の予定通り時速20km以上の速度での実験が可能な被験者を確保して改めて実験することも検討する。 時速20km以上の速度における着地方法と下腿三頭筋の筋腱複合体の動態の関係を検討する実験では、アキレス腱の湾曲を考慮した実験設定にすることを諦めていた。しかし、超音波画像診断装置のプローブと骨への付着部位の間に反射マーカーを貼付することは難しいが、反射マーカーの代わりにアキレス腱上に印をつけて、印を撮影した動画を画像解析することで位置データを取得し、そこから湾曲を考慮したアキレス腱長を計算することも検討する。
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Causes of Carryover |
神奈川大学と共同研究を行ったことで研究経費を削減することができた。今後、学術誌等への成果発表を行う経費として計上する予定である。
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