2022 Fiscal Year Research-status Report
コンピュータビジョンの技術を用いたサッカーのキック動作の即時評価システムの開発
Project/Area Number |
22K17709
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
井上 功一郎 山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (10723710)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | サッカー / キック技術 / ボール / コーチング / フィードバック / 画像処理 / 三次元動作分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,サッカーにおけるキック動作のデータを即時的に取得し,評価をフィードバックするシステムを実践・指導の現場に実装することを目的としている.従来のビデオカメラによるスポーツ動作の定量分析は,バイオメカニクスの観点から動作の改善に有効な知見を示すことができる一方で,分析作業に多くの手間と時間が必要であった.この研究では,コンピュータビジョンの手法により分析を自動化し,この問題を解消することを狙っている. 2022年度は,当初の計画に従ってキック動作の最適な撮影条件の精査と即時評価システムのプログラムのコーディングを行った.撮影条件に関しては,画角や撮影速度などのカメラに関する条件,分析点の配置やマーカーの貼付方法など被写体に関する条件それぞれにおいて複数の条件を試し,適切なセッティングを決めることができた.また,即時フィードバックのためプログラムのコーディングでも一定の成果が得られている.予定通りコンピュータビジョンの技術を使った画像処理が上手く機能し,キャリブレーションによる3次元構築から各種変数の算出まで,ほぼ自動的に分析することが可能になった.特にボールのトラッキングに関しては良好で,ボール速度,投射方向,回転数,回転方向に関しては,実用に足る時間でフィードバックできるようになった.今後は,天候などで撮影環境が変化してもフレキシブルに対応できるようにするなど,プログラムをアップデートさせる計画である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度(2022年度)は,キック動作の分析を即時的に取得し評価をフィードバックするシステムのいわばパイロット版を作成する計画であった.ほぼ分析を自動化しデータを提示できるようになり,次年度は当初の計画通りこのシステムの精度検証に関する研究に進めることから,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
開発したキック動作の即時評価システムで取得したデータが,実用に十分な精度を持つかを明らかにする.キック動作を撮影した同一の映像に対して,コンピュータビジョンを用いて自動的に分析を行う本研究の方法とモニターで映像を目視しながら手動で分析を行う従来の方法を統計的に比較し,精度を検証する.データが一致しない場合でも,差異やばらつきの程度を知ることで,このシステムによる計測の許容範囲を把握できるようにする.
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Causes of Carryover |
機器の購入費用を見込みよりも抑えることができた.従って差額が生じた.差額は研究補助者の人件費として支出したが,なお44,280円残った.この金額は翌年度の人件費として支出する予定である.
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Research Products
(1 results)