2022 Fiscal Year Research-status Report
暑熱・精神性による複合的負荷が運動能力と認知機能に及ぼす影響の解明と対策の立案
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22K17713
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
内藤 貴司 北海学園大学, 法学部, 講師 (20806278)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 高体温 / 精神性疲労 / 有酸素性運動能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
長時間の認知タスクによる精神的疲労と熱ストレスへの曝露の複合的な負荷は、暑熱環境下での有酸素性運動能力を低下させること1)が報告されている。しかし、熱ストレスへの曝露における体温調節反応に着目した場合、認知タスク遂行中の深部体温の上昇(高体温)が有酸素性運動能力を低下させるのか深部体温の上昇を伴わない熱曝露においても有酸素性運動能力が同程度低下するかどうかは不明である。本研究では、認知タスクに加え、暑熱ストレスへの曝露による深部体温の違いが、暑熱環境下における有酸素性運動能力および精神性疲労に及ぼす影響について検討することを目的とした。 7名の男性アスリート(年齢:22±1歳、身長:173.2±2.4 cm、体重:67.11±5.2 kg、最大酸素摂取量:63.7±7.1 mL/kg/min)が、高体温(HYP)およびコントロール(CON)の2条件の実験に参加した。運動開始前の45分間、40℃の温水浸漬(HYP)または35℃、相対湿度60%の室内で、AX-Continuous Performance Task(AX-CPT)および修正ストループ課題による精神疲労を誘発させるタスク2,3)を行った。その後、CON試行と同じ人工気象室内で、最大酸素摂取量80%で疲労困憊に至るまでランニングを行った。 本研究ではアスリートにおいて、深部体温の上昇(高体温)と認知タスクの複合負荷は、深部体温の上昇を伴わない熱曝露時と比較して精神性疲労は変わらなかったが、暑熱環境での有酸素性運動能力が損なわれることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年は、計画にあった測定を完遂することができた。取得したデータは解析を行い、2023年度に学会発表を実施する予定である。その後、速やかに文章化してく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は今回得られた知見を基に、高体温および精神性疲労が有酸素性運動能力以外の運動能力や認知能力に及ぼす影響を検討する。実験のプロトコル設定や機器のセットアップなど準備を実施し、2024年3月実施に向けて準備を進めている。
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Causes of Carryover |
予定されていた打ち合わせ(2024年度測定)が延期になったため、次年度へ繰り越した。今年度に打ち合わせを回数を増やし実施する予定である。
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Research Products
(1 results)