2022 Fiscal Year Research-status Report
Effect of kinesthetic illusion induced by visual stimulation using omnidirectional camera and Virtual reality technology
Project/Area Number |
22K17714
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Research Institution | Japan Healthcare University |
Principal Investigator |
村上 正和 日本医療大学, 保健医療学部, 講師 (10913618)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 片麻痺 / 視覚誘導性自己運動錯覚 / VR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,360°カメラを用いて撮影した映像を,仮想現実(virtual reality:以下,VR)技術を利用して3D映像として提供することによる視覚誘導性自己運動錯覚(kinesthetic illusion induced by visual stimulation:以下,KINVIS)誘発の能否や,その効果を検討することである. 研究計画では,2022年度及び2023年度に,健常者を対象に360°カメラで撮影したVR映像を用いることでKINVISが誘発できるか,また,従来のモニターを使用してKINVISを誘発する方法と比較して効果の違いについて明らかにする予定であった. 2022年度は,研究機材の購入の後に,プレ実験を重ね実験環境の確立までを行った.本研究の核である,KINVISが誘発されているか否かを判断する根拠となる指標については,先行研究で検証がなされている,KINVIS誘発実験中の標的筋の無意識的筋収縮を表面筋電図にて計測する方法とした.この筋電図データの他の指標は関節可動域や筋力,歩行速度などの身体測定と,VR映像の没入感を問うリッカート尺度を作成した. 2023年度は,VR群,モニター群,コントロール群を設定し,健常者を対象にVRを使用したKINVISの効果について検討する予定である. 2024年度~2026年度は,脳卒中片麻痺者を対象とし,健常者を対象とした研究と同様にVRを用いた方法でKINVISが誘発されるか否かを検討する.また,運動麻痺の他に合併している症状として感覚障害や半側空間無視,身体失認等が考えられることから,本研究ではKINVISが誘発されやすい脳卒中者と誘発されにくい脳卒中者の特徴を明らかにすることを目的とする.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験環境を整備することまでは進展することが出来た.一方,新型コロナウィルス感染症の流行により,対象者を集めるのに制限が出ており,本試験のデータ収集を開始することはできなかった.しかし,当初から,2022年度と2023年度の2年をかけて健常者を対象とした研究を実施予定であるため,現状では計画の範囲内で進展していると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,VR群,モニター群,コントロール群を設定し,健常者を対象にVRを使用したKINVISの効果について検討する予定である. 2024年度~2026年度は,脳卒中片麻痺者を対象とし,健常者を対象とした研究と同様にVRを用いた方法でKINVISが誘発されるか否かを検討する.また,運動麻痺の他に合併している症状として感覚障害や半側空間無視,身体失認等が考えられることから,本研究ではKINIVISが誘発されやすい脳卒中者と誘発されにくい脳卒中者の特徴を明らかにすることを目的とする.
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Causes of Carryover |
本研究の核であるKINVISが生じているか否かを確認する方法として,表面筋電図計を採用し,各メーカーに問い合わせた結果,当初の計画よりも安価に購入することが可能であったため未使用額が生じた. 差額については,より鮮明なVR映像の提示が可能な高性能のPCの購入,および学会発表時の旅費や論文投稿の際の掲載料等に充てる予定である.PCの性能が向上することで,映像の処理時間が短縮し,対象者への負担を軽減することも期待できると考えている.
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