2023 Fiscal Year Research-status Report
アキレス腱の形状が局所的な変形に与える影響の推定:有限要素法を用いて
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22K17719
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
榎本 翔太 岡山大学, 教育推進機構, 助教 (50880085)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アキレス腱 / 有限要素解析 / シミュレーション / FEM / FEA / 筋腱複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アキレス腱断裂やアキレス腱症の発生に関連するアキレス腱の形状特性を特定することを目指して、有限要素解析を用いてアキレス腱の形状が局所的な変形に与える影響を明らかにすることを目的としている。 この目的を達成するために本年度は、アキレス腱断裂やアキレス腱症との関連が指摘されているアキレス腱のねじれの程度が局所ストレインにどのように影響するかについて着目し実験を行った。具体的には先行研究を参考にねじれの程度を3種類定義し、ねじれ以外の形状特性(太さ、長さ等)や、それらの組み合わせ(ねじれの程度が大きく、太い等)も考慮した実験を行った。一方で、この研究では9つの因子がそれぞれ3水準を持つ実験を計画しており、形状同士の組み合わせを考慮することは、形状モデル数を顕著に増加させ(3^9 = 19,683通り)、すべての形状モデルでの実験は困難であった。そのため、small composite designという統計手法を用いて実験計画を立て、本研究の目的にアプローチした。 最終的に59の形状モデルでの実験を行った結果、各要因の主効果、要因間の交互作用など、局所ストレインと形状特性の複雑な関係が示された。具体的には、ねじれの程度が大きい条件で、局所ストレインが大きくなることが明らかとなった。一方で、局所ストレインに対してねじれの程度は、長さ、遠位の太さとの間に交互作用があることも明らかとなった。 これらは、アキレス腱の大きなねじれが大きな局所ストレインをもたらす一方で、その効果はその他の形状特性の大小に影響を受ける可能性を示している。さらに、先行研究において局所ストレインがアキレス腱断裂やアキレス腱症の発生に関連すると報告されていることを考えると、その他の形状特性の大小にもよるが、アキレス腱におけるねじれの程度がそれら傷害の発症に関連している可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、アキレス腱のねじれを考慮したモデルを作成し、それとねじれ以外の形状特性の違い、また、それらの組み合わせを考慮したシミュレーション実験を行う。予定では当該実験は、令和6年度から開始する予定であったが、令和6年度になった時点で実験がすでに完了している。まだ、結果をまとめ、論文として投稿するという作業が残っているが、実験計画が当初よりも前倒しになっていることから、おおむね順調に進展しているという判断である。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに得られた成果を速やかに論文として投稿する。
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Causes of Carryover |
本研究の初年度に、研究代表者の所属機関の移動があった。それに伴う学内業務の増大により、初年度における研究の進捗の遅れが生じ、予定されていた英文校正費や論文掲載料が支出されなかった。 次年度使用額は英文校正費、論文掲載料として支出する予定である。
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Research Products
(2 results)