2023 Fiscal Year Research-status Report
身体運動や加齢に対する深筋膜の変化とその機序の解明
Project/Area Number |
22K17722
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
大塚 俊 愛知医科大学, 医学部, 講師 (00879504)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 深筋膜 / 加齢変化 / 可塑性 / 身体活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動や加齢など、身体の変化に対する深筋膜の適応の程度を調査することが本研究の目的である。若年者から高齢者まで、年齢や運動習慣が異なる男女の下肢深 筋膜の厚さを、Bモード超音波法を用いて横断的に測定する。また、直下の筋の厚さや筋力などの運動パフォーマンスを測定する。この横断的研究により、加齢や運動習慣に伴う深筋膜の厚さ変化が顕著な部位とその程度を調査し、直下の筋との関係に迫ることを狙う。本年度までに、若年者から高齢者まで、計75名の測定を行った。深筋膜は、加齢によって厚くなる傾向や、その程度には性差があることが示されてきた。また、身体活動量のアンケートを行い、一週間の総運動量は筋膜厚と相関がみられないことがわかってきた。今後も計測を継続して実施する予定である。 解剖体を用いて、伸長試験を行った結果、下腿の筋膜の力学的特性が部位によって異なることが明らかになった。加えて、足部の詳細な解剖から、足底腱膜の起始部にはパターンがあることも示された。筋膜や腱膜は人間の二足歩行に伴う進化によって変化している可能性がある。 深筋膜の厚さの変化の程度や原因を解明するため、マウスやラットを用いた下肢の不活動モデルを作成し、深筋膜の組織画像の取得や遺伝子解析の方法論の確立を進めている。骨格筋量を減少させるモデルの作成に成功しており、来年度は、これらのモデルや方法を用いて、深筋膜の肥厚状態の精査や、肥厚に関連する遺伝子の調査を引き続き行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人間の生体を特対象とした研究は、一定の年代層について、被験者募集が難航しているものの、目標とするサンプルサイズに近づいている。深筋膜厚と年齢や運動習慣との関連性も明らかになりつつある。解剖体を用いた研究では、全身の深筋膜の個人差や部位差について調査することができた。一方で、深筋膜の性質を動物モデルで精査する研究は、組織学的な手法の確立が滞っており、専門家との議論を続けている。
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Strategy for Future Research Activity |
人間生体を対象とした深筋膜の厚さの測定を継続して実施する予定である。同時に、動物を用いた不動化モデルを作成し、深筋膜の形態変化や、それに関係する遺伝子の動態を観察する。これにより、加齢に応じて深筋膜の厚さがどう変化するのか、深筋膜の肥厚はどのようにして生じるのか、を解明していく。
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Causes of Carryover |
物品購入の予定だったが、別予算にて購入できたため、余剰が生じた。次年度の被験者謝金および、動物実験にかかる費用に充填する予定である。
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