2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K17730
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小崎 恵生 筑波大学, 体育系, 助教 (10900293)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高強度運動 / 心腎連関 / プリン代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
定期的に適度な運動を実践することは心身の健康を保持増進する上で非常に重要な役割を果たす。一方で、運動により得られる健康効果と運動の量や強度の間にはU字型の関連性があることも明らかにされており、近年では、運動のやり過ぎに伴う健康上の弊害に着目した報告が増えてきている。しかし、過度な運動による主要臓器(心血管系や腎臓など)の機能障害とその病態生理については、ヒトを対象とした実験室レベルの研究が十分に実施されてきておらず、エビデンスが蓄積されていない。したがって、心血管系や腎臓に対する運動の容量・強度依存的な影響を詳細に検討し、実験的エビデンスを蓄積することが過度な運動による臓器障害の病態生理を明らかにする上で重要であると考えられる。そこで本研究では、心血管系と腎臓の機能障害が互いに結びつく現象である「心腎連関」が過度な運動に伴って形成されるか否かを明らかにし、その上で、その病態生理学的機序に心臓および腎臓における血行動態の変化やプリン代謝動態の亢進が寄与するか否かについて明らかにすることを目的とした。 本年度の研究では、長時間の運動(フルマラソン)がプリン代謝動態に及ぼす経時的な影響を検討した。その結果、プリン代謝の最終段階を触媒する酵素であるキサンチン酸化還元酵素の血漿活性およびプリン代謝産物(ヒポキサンチン、キサンチン、尿酸)の血漿濃度がフルマラソン後に上昇することが示された。さらに、副次解析の結果、フルマラソン後に急性腎障害の基準値を超えた者では、血漿キサンチン酸化還元酵素活性の亢進およびプリン代謝産物の血漿濃度の上昇が顕著に確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の実施計画通りに研究を遂行し、実験的研究の一部が順調に進んでおり、一定の成果が得られていることから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、高強度の運動鍛錬者(持久性アスリート)における心血管系と腎臓の血行力学的な関連性を検討する観察研究に加え、短時間の高強度運動が心血管系・腎臓・プリン代謝動態などに及ぼす急性的な影響を検討する実験的研究を遂行し、1)心血管系と腎臓の機能障害が互いに結びつく現象である「心腎連関」が過度な運動に伴って形成されるか否か、2)その病態生理学的機序に心血管系および腎臓における血行動態の変化やプリン代謝動態の亢進が寄与するか否かを明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度に購入する予定であった物品(消耗品など)を次年度以降に購入する予定に変更したため、次年度使用額が生じた。次年度以降は、高強度の運動鍛錬者(持久性アスリート)における心血管系と腎臓の血行力学的な関連性を検討する観察研究および短時間の高強度運動が心血管系・腎臓・プリン代謝動態などに及ぼす急性的な影響を検討する実験的研究を遂行するために使用する予定である。
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Research Products
(2 results)