2022 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリアの品質向上による筋萎縮の軽減に対する運動の役割
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22K17733
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山田 麻未 名古屋市立大学, 大学院理学研究科, 研究員 (30932587)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 筋萎縮 / ミトコンドリア / オートファジータンパク |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで我々は、定期的な運動を実施することで骨格筋のオートファジータンパクが増加しリン酸化することを報告している。本研究では、骨格筋の恒常性維持に重要であり運動により制御される細胞内小器官であるミトコンドリアに着目し、運動により活性化されるオートファジー基質の新たな機能としてミトコンドリアの品質管理に対する役割の解明を目的として検証を行う。 本年度は、第一課題として筋特異的オートファジータンパク発現増強マウスの骨格筋からオートファジータンパクを抽出し、結合するタンパクをショットガン解析にて網羅的に解析し、ミトコンドリアタンパクを同定した。この結果をもとに、改めて発現増強マウスの骨格筋を用いて免疫沈降を行い、網羅的解析と同様にミトコンドリアタンパクとオートファジータンパクが結合することを確認した。また、作製した発現増強マウスの骨格筋のマイトファジー関連タンパク、アポトーシス関連タンパク、酸化的リン酸化のタンパク発現とミトコンドリアDNAを測定した。その結果、発現増強マウスは野生型同腹子マウスと比較して本研究にて同定したミトコンドリアタンパクの発現の変動は見られなかったが、マイトファジーを制御する因子の変動やミトコンドリアDNAの発現の変動を確認した。 第二課題として、オートファジータンパクが活性化することを確認している定期的な運動を実施した骨格筋を用いて免疫沈降を行い、ミトコンドリアタンパクとオートファジータンパクが結合することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、実施予定であったオートファジータンパクとミトコンドリアタンパクの結合の確認と筋特異的オートファジータンパク発現増強マウスの骨格筋のミトコンドリアの機能を測定した。得られた結果は申請者の予想した結果であり、本研究を遂行するために重要な実験を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、筋特異的なオートファジータンパク欠損マウスや発現増強マウスを用いてより詳細にミトコンドリアの機能を測定する。また、オートファジー基質と結合することが明らかになったミトコンドリアタンパクとの関連性を検証する。
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Causes of Carryover |
物品を特価期間に購入できたため残額が生じた。翌年度に物品購入費用として使用する。
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