2022 Fiscal Year Research-status Report
必須アミノ酸の継続摂取に伴う骨格筋の応答変化の解明:筋内・外の両側面からの検討
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22K17742
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
竹垣 淳也 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 特別研究員 (10824055)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 必須アミノ酸 / 筋タンパク質合成 / 骨格筋 / ロイシン |
Outline of Annual Research Achievements |
必須アミノ酸の摂取は筋力トレーニングによる骨格筋の肥大効果を高めるが、これを継続的に摂取した際に生じる骨格筋の適応変化は不明である。また、必須アミノ酸の摂取に対して影響を及ぼしうる要因として、骨格筋に至るまでの吸収・循環経路の変化と、骨格筋自体の変化が挙げられる。本研究は、必須アミノ酸摂取後の骨格筋の適応変化について、アミノ酸摂取後に骨格筋へと至るまでの過程と、骨格筋自体の2つの変化に着目し、検討を行う。 2022年度は、必須アミノ酸の摂取条件について検討を行った。SDラットを対象に必須アミノ酸を経口投与し、投与前後の血中アミノ酸濃度の推移を確認することにより、適切な投与条件を検討した。0.1g/kg体重、0.4g/kg体重の範囲で投与後の血中アミノ酸濃度を測定したが、0.2g/kg体重以下の投与量では血中アミノ酸の上昇幅が筋タンパク質合成の賦活を誘導する上ではやや不十分であった。従って、今後は0.3または0.4g/kg体重で反復投与試験を実施することとした。 また、in vivoの検討のみならずin vitroでの検討も進めている。具体的には、必須アミノ酸の反復曝露に伴うC2C12筋管細胞の適応変化の解明に取り組んでいる。2022年度内には、用いる必須アミノ酸の濃度の検定を実施した。また、さらに通常用いる培地はアミノ酸を多く含んでいるため、必須アミノ酸の反復添加による影響を検討することが困難である。そこで、2022年度は適切な培地組成の検討も同時に進め、使用する上で最適な濃度を概ね決定できた。次年度は、具体的な適応変化について明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、動物における必須アミノ酸の反復摂取に伴う骨格筋の応答変化について、年度中に明らかにすることを目標としていた。しかしながら、今年度の研究実績の概要にて示したように、本年度は実際の検討に用いる必須アミノ酸の投与量の検討にやや時間を要し、具体的な検討を実施するには至らなかった。一方で、in vivoの検討のみならずin vitroでの検討も進めることができており、当初予定していた範疇に留まらない詳細な知見が得られることも期待される。以上のことから、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度中に示された適切な投与条件を用いて、実際に必須アミノ酸の反復投与を行い、骨格筋の適応変化を明らかにする。また、並行してin vitroでの必須アミノ酸反復曝露実験も行い、骨格筋のみでの適応変化を中心に、詳細に検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
予備検討に時間を要し、当初予定していた本実験の実施に至らなかったため。次年度に、当初計画されていた内容に加えて2022年度実施予定であった残りの実験を実施し、それに次年度使用額を充てる予定である。
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