2022 Fiscal Year Research-status Report
ADDIEモデルによるライフスキル獲得を促す大学体育授業の開発
Project/Area Number |
22K17748
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
奈良 隆章 筑波大学, 体育系, 助教 (10598890)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | ライフスキル / 大学生 / 体育授業 / 教育効果 / 授業設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,わが国の大学体育に共通した教育目標として位置づけられる「学生のライフスキル獲得」を促す大学体育授業プログラムの開発を目的としている.具体的には,授業分析(課題1),授業設計(課題2),授業実践(課題3),教育効果検証(課題4),授業再設計(課題5)を行い,ADDIEモデル(中島編,2016)のサイクルに基づいて,効果的な授業プログラムの構築を目指すものである. 研究開始年度となる2022年度では,5つの研究課題の内,課題1に取り組み,筑波大学体育センターで共通科目体育を担当する教員6名の授業(個人種目3,集団種目3)について現状分析を行った.具体的には,各授業の受講生を対象に,①受講前後のライフスキル(島本・石井,2006),②授業内での経験(島本・石井,2007),③学生の感じた当該授業の教育効果(西田ほか, 2016)を調査し,受講生の変化に着目した現状分析を実施した.その結果,対象とした教員6名の授業については,本研究で使用した各尺度の作成過程で示された基準値よりも高い傾向にあることが明らかとなった.また,授業内での経験および学生の感じた授業の教育効果については,個人種目と集団種目で異なる傾向にあることが示唆された.さらに,各授業担当教員の実施する授業について特徴を見出すことができたため,次年度の研究課題として設定している「学生のライフスキル獲得を促す大学体育授業の設計」を行うための準備を整えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究実施計画と照合すると,課題1の中心である「受講生に対する調査を通じた授業分析」を実施することができたため、おおむね順調に研究を進められたと言える.したがって,進捗状況を「おおむね順調に進展している」とした.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に実施した課題1の知見を有効活用し,次年度の研究課題として設定している「学生のライフスキル獲得を促す大学体育授業の設計」を進める.交付申請書に記載した研究実施計画では,2023年度中に授業設計を完了させる計画となっているが,2023年度秋学期開始前までに授業設計を完了させられた場合には,課題3として設定している「授業実践」を前倒しにして実施することも検討している.
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Causes of Carryover |
アンケート調査のデータ入力作業を短期雇用により実施する計画であったが,課題2の授業設計に向けて早急に分析を行う必要が生じたため、研究組織内で作業を完了させることとなった.したがって,短期雇用のために計上していた100000円の支出が発生しなかった.また,課題1の研究成果を発表するために,複数の学会大会参加を予定していたが,研究成果を発表できる段階に至ったのが2022年度末であったことから,情報収集を目的とした日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会(千葉県印西市)への参加にとどまった.したがって,国内旅費として計上していた100000円に残額が生じることとなった.さらに,タブレット端末やA3カラー複合機を購入する予定であったが,半導体不足による価格高騰や納期の遅れ等が懸念されたため,次年度以降に見送ることとした.2022年度の残額である182916円については,2022年度に購入予定であった必要物品の購入に充てる予定である.
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