2023 Fiscal Year Research-status Report
A Study of the Interpretive Differences among the UK, the US, and Japan in Rudolf Laban's Effort Theory
Project/Area Number |
22K17749
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
橋本 有子 お茶の水女子大学, 教学IR・教育開発・学修支援センター, 講師 (50826972)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ルドルフ・ラバン / エフォート理論 / 英国,米国,日本 / 身体/舞踊学 / 身体/舞踊教育学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ルドルフ・ラバンのエフォート理論の日本での解釈が海外と比較しどのように異なるのか、なぜ日本語訳に差異が生まれているのかを問い、英国・米国・日本におけるエフォート理論の実態を身体的かつ言語的に精査し整理することを目的とする。 2022年度は、文献研究に着手し、ラバン本人が執筆した書籍によってエフォート理論の用語に差異があることが明らかになった。ここから、言語表現が変わった際に、その意味内容も変わるのかを調査する必要が見出された。それを経て2023年度は、米国を拠点とするラバン理論の専門家(CMA)2名にインタビューを行い,用語の差異についても確認を行った。2名ともに,用語の差異は多少あるものの米国の専門家(資格保持者)の間でエフォート理論の解釈のずれはないと説明した。また,英国を拠点とするラバン理論に精通する2名にもプレインタビューを行った。ここではまず,英国には米国のラバン理論の資格(CMA:Certified Movement Analyst)に代表される資格システムは存在しない可能性が高いことがわかった。2名ともに自己学習を重ね,理論そのものを共有するのではなく,各々の活動においてラバン理論を活用していることがわかった。今後は,米国を拠点とする専門家へのインタビューを引き続き行うとともに,英国を拠点とする専門家への本インタビューを実施することで,英米それぞれの専門家の間でエフォート理論の解釈差異が存在するのか,調査をすすめる。 その他,エフォート理論を含むラバン/バーテニエフ理論がどの学問領域でどのように活用されているかの文献調査をすすめている。現在,世界の英語文献および日本語文献の読み込みと分類を行いながら論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビューは,現地へ赴くことが叶わずオンラインで実施した。米国の専門家への本インタビューは実現したが,英国の専門家への本インタビューが実現できていない。その他,文献調査と整理もやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
文献調査:エフォート理論の用語整理を引き続き続ける。 インタビュー調査:英国を拠点とする専門家への本インタビューと,追加で米国を拠点とする専門家のインタビューを行う。 論文執筆:現在執筆中のラバン/バーテニエフ理論の学問領域への反映に関する論文を学術誌へ投稿する。
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Causes of Carryover |
2023度は,インタビュー調査で現地へ赴くことができなかったため繰越金が生じた。次年度も海外出張が難しい可能性が高く,その場合には,海外ゲストによる専門的知識の教授や類似プログラムの参与観察,オンラインイベントやクラス参加の費用に充てる予定である。
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