2022 Fiscal Year Research-status Report
柔道療育の有効性の検討 -発達障害、知的障害を有する児童を対象として-
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22K17753
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
小崎 亮輔 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 助教 (70834646)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 発達支援 / 発達障害 / 知的障害 / 運動療育 / 柔道療育 / 身体的コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで障害者を対象とした柔道療育・療法の実践例がいくつか報告されているが、その効果や有効性は学術的に検証されていない。そこで、本研究では放課後等デイサービスにて実施されている柔道療育に着目した。柔道療育とは、柔道を活用した発達支援である。本研究では障害児を対象とした柔道療育の効果と有効性について学術的に検証することとした。 令和4年度は、柔道療育の効果を探索する質的研究を実施した。放課後等デイサービスにて柔道療育を実践している4名の指導者を対象に、柔道療育の効果に関する半構造化インタビューを実施した。得られた言語データは文字起こしの後テキスト化され、質的データ分析法であるSCATを実施した。SCATの実施後、柔道療育の効果に関するコードが129個と非常に多くなったため、129個のコードを小項目として、kj法によって分類した。 このSCATとkj法による分類の一連の流れは、分析の妥当性を保つために3名の研究者で実施された。 kj法による分類の結果、柔道療育の効果に関するコード(小項目)は22個の中項目、3個の大項目に分類された。 大項目は「社会」「精神」「身体」に分類された。つまり柔道療育の効果は社会、精神、身体に関する効果に大別されることが明らかとなった。またその中でも、「社会」であれば「他者理解」や「生活リズム」、「礼儀」等といった中項目がこれに分類されている。そのほか、「精神」であれば「情緒のコントロール」、「自己理解」等が、「身体」であれば「体幹」、「運動能力」といった中項目が分類された。したがって、中項目からは各大項目を構成する柔道療育の具体的な効果が分類された。 本研究で得られた結果は、指導者の経験や日々の観察から得られた柔道療育の効果である。したがって今後は本研究での成果を基に、実際の被療育児を対象として本研究で得られた柔道療育の効果を検証していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画からは少々遅延しているが、許容範囲内だと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
柔道療育を実践している被療育児の運動能力等が向上しているのか、また身体状況が改善しているのかを検証していく。
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Causes of Carryover |
令和4年度は新型コロナウイルス感染拡大状況下にもあり、本来計画していた出張計画が全て遂行することはできなかった。令和5年度は当該状況も沈静を迎えつつあるので、調査に関する出張を積極的に計画し、本予算を使用していく。
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Research Products
(4 results)