• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

水域特性に着目した小学校の安全水泳教育プログラムの開発と効果検証

Research Project

Project/Area Number 22K17764
Research InstitutionAichi University of Education

Principal Investigator

村松 愛梨奈  愛知教育大学, 教育学部, 助教 (60757996)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywords学校水泳 / 安全水泳
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、年齢や水域特性に着目した水難事故要因の分析および小児の知識・技能・思考等の現状把握を行い、小学校における水域特性別の安全水泳教育プログラムの作成およびその効果検証を目的に研究を進めている。
日本は諸外国と比較して、重大事故に繋がる水難者の割合も高く、溺死率は先進国の中でも最上位であり、溺水は社会的に解決すべき公衆衛生的な課題である。世界保健機関は、溺水から身を守るための重要な戦略の一つとして「子どもの水泳技能の獲得」を提示しており、溺水防止に関わる技能や態度獲得を目指した教育プログラムの開発は必要不可欠である。
令和4年度は座学形式の授業実践介入によるリスク認識や対策実行認識の変化に関する検討を実施し、令和5年度は実技形式の授業実践介入による水泳技能の獲得状況や、着衣泳実践による水辺の溺水リスクやライフジャケット着用等に対する態度に関する調査を行った。データ利用の承諾が得られた大学生65名を対象とした9回の水泳実技実践では浮標(背浮き)を含む泳能力が向上し、大学生31名を対象とした安全水泳教育の実技実践では、「着衣泳実践により、子どもが不意に着衣状態で落水した際に命を守ることが可能になるかどうか」という設問に対して、肯定的な回答を選択した割合は受講前後で71%から87%に増加した。また、着衣泳実践により学習できた内容に関する自由記述では、着衣状態での水中活動の困難さや対応方法、浮き具の活用、救助法に関する回答が多くみられ、実技形式の授業実践により態度や知識の変化を示すことができた。また、令和5年度は諸外国でのプログラム実践に関する調査を実施するとともに、Stallmanが示した自己保全に必要な技能課題の獲得を目指した安全水泳プログラム概要や具体例に関して書籍の執筆を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

令和5年度は、World Conference on Drowning Prevention 2023への参加による諸外国の安全水泳教育に関わるプログラムの情報収集および整理を実施し、さらに授業実践に向けたプログラム作成に関わるデータ収集を行なった。一方で、日本における子どもの溺水要因や現状を踏まえた上で必要な技能や知識、思考等は十分に整理・検討できていないため、令和6年度度以降に溺水要因を踏まえた内容の検討を進める必要がある。令和5年度は実技形式の介入による水泳技能や態度変化について調査を実施し、諸外国プログラムの調査も実施できたが、それらの整理は十分に進んでおらず、さらに日本の水難事故における溺水要因の分析も十分に実施できていないため、「やや遅れている」状況であると判断した。

Strategy for Future Research Activity

令和6年度は、令和5年度に引き続き日本の水難事故における溺水要因について、年齢・水域別により詳細に把握し、溺水要因に応じて必要な技能、知識等について検討を行う予定である。さらに、諸外国の安全水泳プログラムについては継続して文献研究に加えて、諸外国のプログラム実践に関わる情報を整理する計画である。

Causes of Carryover

令和5年度は、調査打ち合わせのほか国際学会での情報収集も実施したが、当初想定していた近隣学校での調査やプログラム作成に伴う授業物品準備などが実施できていないため、繰越額が生じている。令和6年度は引き続き文献研究や近隣学校での実践に向けた調査打ち合わせ、データ入力補助など、計画に基づいて使用を行う予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2024

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 大学水泳授業における保健体育教員養成課程学生の水泳能力差を踏まえた授業カリキュラムの効果に関する検討2024

    • Author(s)
      仁木康浩,村松愛梨奈
    • Journal Title

      尚美学園大学教職課程年報

      Volume: 6 Pages: 1-12

    • Peer Reviewed
  • [Book] 教科開発学を創る 第5集 第10章「自分の命は自分で守るための学習」プログラムの展開2024

    • Author(s)
      寺本圭輔,村松愛梨奈
    • Total Pages
      20
    • Publisher
      愛知教育大学出版会
    • ISBN
      978-4-903389-97-4

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi