2023 Fiscal Year Annual Research Report
Functional dietary lipids and metabolic disorders
Project/Area Number |
22K17771
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
宮本 潤基 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20805668)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Diet / Nutrition / Gut microbiota / Dietary lipids |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の腸内細菌研究の発展に伴い様々な病態と密接に関与することが科学的根拠に基づいて明らかにされている。腸内細菌は様々な環境因子などによってもその構成変化を促すことが明らかにされているが、食事もまた、腸内細菌の構成、さらには機能まで制御することが示唆されている。本研究では、三大栄養素の一つである脂質画分に着目し、食事中の食用油に依存した腸内環境への影響と生体エネルギー代謝調節に及ぼす影響を解明することを目的として検討を実施した。その結果、食用油の構成の違いに依存して、腸内細菌の構成が特異的に変化することや代謝経路が大きく変化していることを見出した。さらに、食用油の組成の違いは、生体エネルギー代謝調節に劇的に影響を及ぼすことが明らかになった。特に、高脂肪食誘導性肥満モデルマウスにおいて体重・組織重量の増加、耐糖能異常や脂肪組織炎症が観察されたが、食用油の置換はこれらの代謝パラメータを有意に改善することを明らかにした。本研究成果は、食事、腸内細菌、および生体エネルギー代謝を結びつける重要な役割を担っている可能性が示唆された。本研究は、昨今の食の欧米化に伴う肥満者の増加に対する新しい治療法の確立を目指した知見を提供することが期待される。
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