2022 Fiscal Year Research-status Report
ミオスタチンに着目した「プレサルコペニア肥満」の病態解明
Project/Area Number |
22K17775
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石橋 千咲 大阪大学, キャンパスライフ健康支援・相談センター, 助教 (70933430)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | サルコペニア肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋量減少かつ筋力や身体機能低下を伴う病態はサルコペニアと呼ばれ、これに肥満が合併した病態であるサルコペニア肥満は、通常見かけの痩せも肥満も呈さず、健康な状態と一見区別することは困難である。また、ミオスタチンは骨格筋増殖の負の制御因子であると同時に、内臓脂肪を増加させる因子であることが知られる。本研究では、特に骨格筋量減少を認める頻度が比較的高い女性において、骨格筋量・体脂肪量データと詳細な生活習慣を含む臨床指標が血清ミオスタチン濃度とどのように関連するかを明らかにし、早期の段階のサルコペニア肥満の病態解明および新たな治療アプローチ開発を目的とした。 本研究参加に同意された30-50歳台の女性健診受検者に対し、高精度体成分分析装置による骨格筋量指数および体脂肪率測定、握力測定、指輪っかテストを施行した。サルコペニアの基準として骨格筋量指数、肥満の基準として体脂肪率をそれぞれ用いてサルコペニア肥満を定義し、同カットオフ値により対象者全体を健康群、サルコペニア単独群、肥満単独群、サルコペニア肥満群の4群に群分けの上、各指標の群間比較ならびに健康群とサルコペニア肥満群を見分けるために有用な指標の解析を行った。上記対象者うち残余血清の研究利用の同意を得た対象者のうち、一部の症例について血清ミオスタチン濃度およびインスリン濃度を測定し、生活習慣や血液検査所見との関連を明らかにするべく解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度の大きな目標であった健診者における体成分分析を含むデータ収集が終了し、順次解析中である。令和4年度の健診データの一部について入手が遅れたため、令和4年度中に予定していた一部の横断解析は令和5年度に行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
生活習慣に関する問診や血液検査所見を含む健診データ、InBody・握力・指輪っかテストによる計測値、血清ミオスタチン・インスリン濃度の互いの関連を解析する予定である。
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Causes of Carryover |
血清を用いたサイトカイン・ホルモンの測定にかかる費用が予定よりも低額で行うことが可能であったため、次年度使用額が生じた。今後、解析を進める中で明らかとなる新たな関連因子の検討のために使用する予定である。
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