2022 Fiscal Year Research-status Report
特定保健指導におけるオンラインを活用した栄養教育の効果を高める要因の検討
Project/Area Number |
22K17780
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Research Institution | The University of Nagano |
Principal Investigator |
新保 みさ 長野県立大学, 健康発達学部, 講師 (90827247)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | オンライン / ICT / 特定保健指導 / 初回面談 / 栄養教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、特定保健指導におけるオンラインを活用した栄養教育の効果を高める要因を検討することである。この目的に基づき、令和4年度は研究実施計画通り、研究1を実施し、研究2の準備を進めた。 研究1では特定保健指導の初回面談においてオンラインを活用している管理栄養士を対象にWEB調査とインタビュー調査を行った。WEB調査は自由記述形式で、インタビュー調査は半構造化インタビューで、オンラインを活用した初回面談におけるメリットやデメリット、工夫点などをたずねた。WEB調査は78名、インタビュー調査は6名から回答が得られた。WEB調査とインタビュー調査の回答をあわせて分析した結果、オンラインを活用した初回面談における工夫点は7つのカテゴリーに分けられ、非言語的コミュニケーション(身振り手振りを大きくするなど)、準言語的コミュニケーション(はっきりと話すなど)、言語的コミュニケーション(話をよく聞くなど)、指導内容(丁寧な説明を心掛けるなど)、接続(音声や画面表示を確認するなど)、ツール(画面共有を活用するなど)、環境(部屋の明るさに気を付けるなど)であった。物理的な設備や環境を整えた上で、コミュニケーションの工夫を行うことがオンラインを活用した初回面談の質向上に重要であることが示唆された。 研究2の準備として、研究1の結果からオンラインを活用した初回面談の効果を高める要因と考えられる項目を検討した。さらに、研究協力者と、検討した項目を含めた量的な調査の手続き等の確認を行った。令和5年度に研究2を実施できる見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は研究実施計画通り、研究1を実施し、研究2の準備を進めることができたため。研究1の解析は未完成ではあるものの、令和5年度にさらなる検討を行い、学会発表や論文化を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、研究1の分析のさらなる検討と、学会発表や論文化のほか、研究2の実施を行う。研究2では、特定保健指導の対象者に対して、オンラインを活用した初回面談実施後にWEB調査を行う。WEB調査では、初回面談の満足度等とオンラインを活用した初回面談の効果を高める要因と考えられる項目についてたずね、その関連を分析する。 令和6年度には、オンラインを活用した初回面談の効果を高める要因と考えられる項目と令和5年度と令和6年度の特定健康診査の結果との関連についても分析し、オンラインを活用した初回面談の効果を高める要因が特定保健指導の効果と関連するかを検討する。さらに、研究3として、研究1および2の成果をまとめた冊子を作成し、研修会を実施する予定である。研究2で2年分の特定健康診査の結果との関連をみるため、データの収集に時間がかかることが予想される。その影響で研究3の実施に問題が生じた場合は、冊子の作成や研修会の計画までにとどめるなどの対応策を行う。
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Causes of Carryover |
日本健康教育学会学術大会が青森県で開催予定が、急遽オンライン開催となり、旅費がかからなくなったため。また、研究1の調査を紙面ではなく、WEBで行い、システムの利用料はかかったものの、入力の謝金やコピー用紙などの経費が削減できたため。 研究2の調査もシステムを用いてWEBで行う予定のため、システムの利用料に使用する予定である。
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