2023 Fiscal Year Research-status Report
肥満抑制効果を持つ新規ビフィズス菌死菌のヒトへの応用に向けて
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22K17784
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
丸田 ひとみ 岡山県立大学, 保健福祉学部, 講師 (30823231)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ビフィズス菌 / 抗肥満 / 酢酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
年々、世界中でも罹患患者数が増えている肥満及び糖尿病は、解決すべき重要な課題である。近年では、その治療として腸内細菌の移植などが行われるなど腸内細菌は肥満と大きく関わっていることが報告されている。腸内細菌の中でも有名なビフィズス菌は肥満予防に効果的な酢酸を最終生産物として産生することが知られている。 昨年度までの研究で、新生児の糞便中より単離した新規ビフィズス菌のスクリーニングを行い、肥満抑制効果のあるビフィズス菌株を見出した。その新規ビフィズス菌を摂取することにより肥満抑制効果があることを示唆する結果を得ているが、死菌でも同様の効果が見られるのかについて検討を行ってきた。その結果、生菌と死菌を脱脂粉乳に懸濁した試料を投与したところ、生菌よりはその効果が弱いものの、死菌においても、腹腔内脂肪量の蓄積抑制や体重増加抑制などがみられた。その他にも脂肪合成系遺伝子の低下や脂質代謝に関わる遺伝子の発現増加などがみられた。 そこで、本年度は死菌の菌数の検討を行った。まず初めに昨年度、使用した菌数と同等のものとそれより5倍量の菌数のものを脱脂粉乳に懸濁した試料をこれまでと同様に2型糖尿病モデル動物であるOLETFラットに経口投与を行った。その結果、5倍量の菌数を投与した群の方が体重増加抑制効果が高かったものの著しく効果が高くなったわけではなかった。また、肝臓における脂肪蓄積を組織学的解析法を用いて解析したところ5倍量の群の方が脂肪蓄積が抑制されているのが観察されたが、脂肪合成系や脂肪代謝系の遺伝子発現においては菌数を5倍量にした群とこれまでの菌数の群とでは大きな差は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当年度の予定であった、菌数の検討を行いどのくらいの菌数で効果があるのかがある程度見通しを立てることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回、検討した菌数をベースに摂取形態の検討を行い、それを2型糖尿病モデル動物に摂取させた場合にこれまでと同等の結果が得られるかについて検討を行う。
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Causes of Carryover |
キャンペーンなどにより当初の予定より安く購入できたため差額が生じた。 次年度は実験動物のための消耗品やその実験に必要な機器物品の使用予定である。
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