2023 Fiscal Year Research-status Report
慢性疾患患者の退院後の食生活に関する人生会議ACPの効果的な在り方の検討
Project/Area Number |
22K17805
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Research Institution | University of Niigata Prefecture |
Principal Investigator |
玉浦 有紀 新潟県立大学, 人間生活学部, 講師 (60845915)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 退院時支援 / 共有意思決定 / 栄養食事指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、入院医療機関における退院後に向けた食支援で、諸外国で着目されるACP:advance care planning(医療者が、家族や家族などケア担当者との間で、個人の価値観や治療の目的について話し合うプロセス)を取り入れ、患者側・医療者/施設側の双方にとって効果的な支援の在り方を検討・提案することを目指している。具体的には、本研究の前段階として実施した研究活動スタート支援「在宅療養の拡充に向けた退院時の食生活支援の在り方に関する検討(課題番号:19K24263)」で開発した「退院時食支援冊子」の活用による「入院中から退院後の食生活に向けた患者との話し合い(共有意思決定(shered decision making; SDM))導入」に対する適用可能性を検証を進める。 2年目(令和5年度)は、初年度に作成した「冊子活用マニュアル」に基づくSDM適用可能性の実証研究遂行に向け、①予備調査の実施、②研究計画立案(評価項目の検討を含む)、③研究フィールドの調整を進めた。 ①予備調査は、実証研究を見据え、ケアミックス病院1施設で退院時支援に携わる管理栄養士4名に「冊子活用マニュアル」をもとに「退院時食支援冊子」を用いたアプローチの説明会を行い、3ヶ月間、実際に日常業務の退院時支援の一環として冊子を活用いただいた。活用しにくかった点等について意見を集約し、冊子活用マニュアルの修正を行った。②研究計画の立案では、①の予備調査を踏まえた実証フローを作成すると共に、冊子の退院時食支援における適用可能性の評価項目、SDM支援ツールとしての妥当性の評価項目を「食のSDMプロセス尺度」の開発、及び先行研究のレビューから検討し、質問票を作成した。③研究フィールドの調整は、次年度(令和6年度)の実証研究に向け、共同研究者とともに協力依頼を進め、現時点で、数施設から内諾を得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の先行研究にあたる研究活動スタート支援「在宅療養の拡充に向けた退院時の食生活支援の在り方に関する検討(課題番号:19K24263)」が新型コロナウイルス感染症の影響等で遅延し、本研究も初年度(令和4年度)の開始が遅れたため、全体のスケジュールが後ろ倒しになっている。また、多施設での実証研究前に、実証の手順(フロー)を確認する予備調査が必要と判断し、当初予定に追加したため、本検証の開始が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度に進めた実証研究の計画に沿って、異なる施設機能区分(一般病院、特定機能病院、リハビリテーション病院など)を有する入院医療機関10~20施設で、退院時食支援冊子活用によるSDM適用可能性の検証を進める。検証結果の解析から、冊子が退院時食支援においてSDMを取り入れた支援の促進につながるか、及びその健康・医療アウトカムへの波及効果の可能性(どのような健康・医療アウトカムに寄与し得るか)を検討し、学会・論文発表等で公表する。また、退院時食支援冊子と活用マニュアルの改訂も行い、本研究成果として退院時食支援に関わる入院医療機関で活用いただけるよう、学会・研究室ホームページ等を通した配布を目指す。
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Causes of Carryover |
予算の大部分を充てる予定であった「退院時食支援冊子を用いたSDM適用可能性の実証検証」の開始が遅延しているため(遅延理由は、7.現在までの進捗状況に記載)。
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Research Products
(3 results)