2022 Fiscal Year Research-status Report
Molecular basis of cognitive aging caused by perturbed endocannabinoid system
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22K17815
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
片岡 孝介 早稲田大学, 総合研究機構, 次席研究員(研究院講師) (60822260)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 内在性カンナビノイド系 / 加齢性記憶障害 / オミクス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
先進国で高齢化が加速度的に進む中で老化研究の重要性は高まりつつある。助成対象者は、脳老化に重要な内在性カンナビノイド系(ECS)に着目して、加齢性記憶障害の分子機構の解明を目指している。助成対象者は、ECSがミトコンドリア品質管理を担うことを発見したが、加齢性記憶障害におけるCB1受容体の役割は依然として不明である。本研究では、ECSの一つであるCB1受容体が細胞内局在依存的な生理機能を有することに着目し、加齢性記憶障害におけるCB1受容体の役割を有するか明らかにすることを目的としている。 当該年度は、SH-SY5Y細胞を用いて、異なる膜透過性・CB1受容体作用を示す3つのカンナビノイドを使用して、CB1受容体の細胞内局在依存的な活性化や不活性化が、ミトコンドリアの機能にどのような影響与えるのか検証した。その結果、ミトコンドリア膜電位や形態、ATP産生量、ROS産生量等が、カンナビノイドの膜透過性やCB1受容体への作用に異なる影響を及ぼすことが明らかとなった。さらに、CB1受容体への依存性を検証するために、SH-SY5Y細胞においてCRISPR-Cas9を用いたCB1受容体遺伝子のノックアウトを試みた。シークエンス結果から、クローンに由来する複数のノックアウト細胞株を作製することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度は、異なる膜透過性・CB1受容体作用が、ミトコンドリアに対して異なる影響を及ぼすことが分かった。オミクス解析によって、詳細な分子メカニズムまで迫る予定であったが、CRISPR-Cas9を用いたCB1受容体遺伝子のノックアウトのvalidationに想定以上の時間を費やした。
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Strategy for Future Research Activity |
CB1受容体遺伝子のノックアウトのvalidationを完了させ、オミクス解析の結果とともに、実験に使用した複数のカンナビノイドの作用機序に迫る。
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Causes of Carryover |
オミクス解析を実施する予定であったが、当該年度は実施しなかったため。
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