2022 Fiscal Year Research-status Report
若年・中年男性における、睡眠負債と睡眠時無呼吸症候群が血圧と臓器障害に及ぼす影響
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22K17829
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 美奈子 九州大学, 医学研究院, 助教 (80912295)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 肥満 / 喫煙 / 朝食抜き |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、若年・中年男性を対象として、睡眠負債・睡眠時無呼吸症候群と、血圧、臓器障害の関連を一元的に調べることを目的とした疫学研究である。睡眠時無呼吸症候群の主な原因は肥満であり、まずは若年・中年男性の肥満に焦点を当て、疫学的検討を行った。
日本人職域男性において、朝食抜き・喫煙の習慣が肥満発症に与える影響について検討し、下記の研究成果を第44回日本高血圧学会総会(京都)において発表した。
日本人職域集団において2006年~2018年に健診を受けた男性従業員のうち、初回健診時に肥満(Body Mass Index: BMI 25 kg/m2以上)の者および単回受診者を除外した4149人を対象に、望ましくない生活習慣と肥満発症の関連についてCox比例ハザードモデルを用いて検討した。年齢調整後の朝食抜き群における肥満発症のオッズ比は朝食を摂る群に比し有意に高かったが(ハザード比(HR) 1.197, 95% 信頼区間(CI): 1.042-1.376, p=0.012)、年齢、現喫煙、運動習慣の有無で調整後、その関連は弱まった(HR 1.133, 95%CI 0.981-1.308, p=0.09)。また、喫煙の肥満発症に対する影響を検討すると、現喫煙者は非喫煙者に比し肥満発症のリスクが有意に高かった(年齢調整HR 1.305, 95% CI: 1.135-1.500, p=0.0002)。さらに、朝食抜きの食習慣と肥満発症の関連を喫煙の有無別に検討すると、朝食を摂る非喫煙者に比し、朝食を抜く非喫煙者では肥満発症が有意に増加し(年齢調整HR 1.339, 95% CI: 1.071-1.675, p=0.01)、そのハザード比は現喫煙者と同等であった。本検討により、禁煙指導とともに朝食抜きに対する生活指導も肥満予防に重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、定期健診のデータクリーニング、睡眠時無呼吸検診、心臓検診、眼底検診のデータ抽出を進めることを研究実施計画とした。 定期健診のデータクリーニングは順調に進行した。データの特性を理解し、睡眠負債や睡眠時無呼吸症候群に強く関連する「若年・中年男性の肥満」について、疫学的検討を通して理解を深め、研究成果を学会発表することができた。 また、睡眠時無呼吸検診、心臓検診のデータ抽出も順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、定期健診のデータクリーニング、睡眠時無呼吸検診、心臓検診のデータ抽出を完了した。 2023年度は、睡眠時無呼吸検診と心臓検診のデータクリーニングを行い、定期健診データと統合して、疫学的検討を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
2022年度はCOVID-19感染拡大の影響でオンライン参加の学会もあったため、予定した旅費は請求しなかった。また、定期健診データのクリーニングは前年度と同様の手順で医師らで分担して行ったため、人件費は請求しなかった。 2023年度は新規データのクリーニングに加え、データセットの統合、統計解析を進め、学会参加や研究成果の発表を積極的に行っていきたい。
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