2023 Fiscal Year Research-status Report
ヘムオキシゲナーゼ-1に着目した生活習慣病発症モデルマウスの開発
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22K17839
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
不破 一将 日本大学, 医学部, 専修指導医 (50829778)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 低出生体重児 / SGA児 / 酸化ストレス / 抗酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)は、ヘムを鉄、ビリルビン、一酸化炭素(CO)に分解する律速段階酵素である。胎盤では、COは血管拡張作用、抗炎症作用、抗アポトーシス作用を有し、血流維持や炎症及びアポトーシスの抑制に働いている。ビリルビンは抗酸化作用を有し、胎盤での酸化―抗酸化のバランスを担っている。酸化ストレスの過剰は生活習慣病の発症や伸展に関与し、ヘムの代謝産物のもつ抗炎症作用や抗酸化作用は生活習慣病の予防にも大きな役割を果たしている。 前年度の動物実験により子宮動脈の虚血にさらされた低出生体重仔は、酸化ストレスに対して脆弱である可能性が示唆された。その結果を踏まえ、早産児で再現性があるか検討した。具体的には、30 人の早産児をSmall-for-gestational age(SGA)児(n=15)、非SGA児(n=15)に分け臍帯血のメタボローム解析を行った。SGA児は、非SGA児と比較し、抗酸化代謝物(Carnosine, Hypotaurine, S-methylcysteine)の有意な減少を認めた。(いづれもp<0.05) 以上より、SGA児は、動物実験と同様に酸化ストレスへの脆弱である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アドバイザーであるStanford大学、David Stevenson labがコロナのパンデミック以降活動が停滞しており、HO-1ヘテロ欠損マウスを用いたSGA児・生活習慣病モデル確立に関するアドバイスが得づらい状況であった。よって予定された支出がされず繰越金が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、 HO-1へテロ欠損マウスを用いたSGA児・生活習慣病モデルの確立を目指し、妊娠HO-1へテロ久損マウス及び出生した仔の検討を行う。 HO-1欠損マウスでの検討が困鮭な場合は、高脂肪食負荷小児肥満モデルマウスを用いてホエイプロテインがHO-1を含めた抗酸化及び酸化に与える影響について検討する。
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Causes of Carryover |
HO-1へテロ欠損マウスを用いたSGA児・生活習慣病モデルの確立に至っていないため。引き続き、妊娠HO-1へテロ久損マウス及び出生した仔の検討を行う。 HO-1欠損マウスでの検討が困鮭な場合は、高脂肪食負荷小児肥満マウスモデルを用いてホエイプロテインがHO-1を含めた抗酸化及び酸化について検討する。 具体的には、ICR系妊娠マウスにプラグチェック陽性の翌日から高脂肪食を与える。出生後に雄の出生仔マウスにも生後8週まで高脂肪食を投与し、生後8週以降は生後12週までホエイ食またはカゼイン食を継続して与える。体重を週1回測定し、12週齢で体重、空腹時血糖(FBG)、血中インスリン値(IRI)、インスリン抵抗性指数 (HOMA-IR)、酸化ストレス指数、肝臓における脂質代謝関連遺伝子発現レベル、肝臓組織のメタボローム解析を測定し、2群間で比較する。
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Research Products
(1 results)