2022 Fiscal Year Research-status Report
膜タンパク質輸送機構を制御して肥満のリバウンドを防ぐー健康的な体重制御法の開発
Project/Area Number |
22K17840
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
石嶺 久子 藤田医科大学, 医学部, 助教 (90736737)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肥満 / エネルギー代謝 / リバウンド |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満により将来的に生活習慣病を発症するリスクが高くなることが知られている。また、美容的に痩身を重視する風潮から、多くの人が体重の制御について関心を持っている。しかし肥満傾向の人が減量してもその状態を維持することが難しく、リバウンドしてしまうことを多くの人が経験している。そこでリバウンドしない健康的な体重制御法を開発するため、先行研究ではまず高脂肪食を用いたリバウンドマウスモデルを確立した。各モデル動物におけるエネルギーを燃やす褐色脂肪組織に対して次世代シークエンサーを用いた網羅的な遺伝子発現解析を行った結果、体重変動特異的に発現が変化する遺伝子群を同定した。本研究では、同定された遺伝子群の機能を解析するため、マウス褐色脂肪細胞株を用いた細胞培養アッセイ系を立ち上げた。リバウンドマウスで発現が上昇していた、エネルギー源を細胞内に取り込む輸送体タンパク質の細胞膜への移行を抑制する機能を持つと報告のあるゴルジ装置のトランスゴルジネットワークに存在する因子や、リバウンドマウスで発現が低下していた細胞分化に関与するRNA結合タンパク質の機能を調べるため、培養褐色脂肪細胞の培地中にこれら因子の阻害剤を加え、ATP産生量を測定することで、褐色脂肪細胞のエネルギー代謝に対する影響を調べた。また、培地のpH, 炎症性サイトカインやインスリンやホルモンの濃度を変化させ、生体内の肥満環境を模倣した培養実験下でも阻害剤の効果を調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
候補因子の機能を解析するためのin vitro実験が長期化しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
候補因子のエネルギー代謝に対する影響について培養細胞を用いて解明することを継続し、in vivo研究へつなげる。
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Causes of Carryover |
学会参加を見送ったことと、遺伝子工学的なアッセイ法から阻害剤を用いたアッセイ法へと実験計画を変更したため。 次年度は培養細胞のエネルギー代謝測定や、動物実験の準備、成果発表の経費に使用する。
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