2023 Fiscal Year Research-status Report
膜タンパク質輸送機構を制御して肥満のリバウンドを防ぐー健康的な体重制御法の開発
Project/Area Number |
22K17840
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
石嶺 久子 藤田医科大学, 医学部, 助教 (90736737)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肥満 / エネルギー代謝 / リバウンド |
Outline of Annual Research Achievements |
2024年3月に1990年以降世界的に肥満人口が急増しているという報告がされた。体重が適切な範囲にあることは健康を維持するうえで重要であり、肥満は心臓疾患や2型糖尿病などの深刻な疾患のリスクを高めることは周知の事実であるため、多くの人が体重制御に強い関心を持っている。特に減量後に再度増量してしまうことは多くの人が経験し、リバウンドを克服することを望む人は多い。一方、高所得国のうち低体重が目立つのは日本人女性のみであることも報告され、わが国では適切な体重制御が行われていないことが示されている。 本研究では褐色脂肪細胞のエネルギー代謝機構を制御し、体重を適切に維持する方法を開発することを目的としている。肥満抑制・肥満予防の鍵となる因子を探索するためリバウンドマウスモデルを作製し、リバウンド群・継続的な肥満群・対照群それぞれにおける褐色脂肪組織における遺伝子発現を次世代シーケンサーで網羅的に調べた。その結果を3群間比較し、リバウンド群のみで発現が高い、つまり肥満を促進すると考えられる因子や、発現の低い、つまり肥満を抑制すると考えられる因子の遺伝子を見出した。これら因子の機能を調べるため培養褐色脂肪細胞株にそれら因子を過剰に発現させるもしくは発現を低下させることを試みた。これら因子の発現状況は定量PCRと免疫染色によって確認した。次にそれら細胞におけるエネルギー代謝の変化をATPの合成量を測定することで調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
培養細胞を用いた候補因子の機能解析を、阻害剤の添加だけでなく因子そのものの発現制御をすることで行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
培養褐色脂肪細胞株を用いた候補因子の機能解析を継続し、白色脂肪細胞における機能も調べる。
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Causes of Carryover |
初年度に生じた次年度使用額を引き続き計画的に使用中である。 培養細胞を用いた機能解析実験に伴う遺伝子工学実験、成果発表の経費に使用する。
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