2022 Fiscal Year Research-status Report
細胞外水分比が筋量と筋力、身体機能、予後との関連性に与える影響の解明
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22K17843
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
日岡 明美 徳島文理大学, 保健福祉学部, 講師 (30646386)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 細胞外水分比 / 筋量 / 筋力 / 身体機能 / 予後 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年にEuropean Working Group of Sarcopenia in Older People 2から報告されたサルコペニア診断基準では、骨格筋量だけではなく、筋質を評価することの重要性が示されている。骨格筋の主な構成成分は体水分であり、筋質の指標としてBioelectrical impedance analysis(BIA)装置で測定された細胞外水分比(Extracellular water to total body water ratio; ECW/TBW)が注目されている。最近では、ECW/TBWが低値の者と比較し、高値の者は身体機能が低く、さらに、サルコペニアの有病率が高いことが明らかにされている。また、BIA装置を用いて測定されたECW/TBWの増大要因が浮腫の場合は、筋組織に過剰な水分が貯留され、骨格筋量が過大評価されることがある。この場合、サルコペニアであるはずの者がサルコペニアではないといった診断がなされる可能性が考えられる。本研究の目的は、ECW/TBWが標準範囲の者とECW/TBWが標準範囲以上の者における筋量と筋力、身体機能、予後との関連性の差異を明らかにする。これら関連性を明らかにすることで、BIA装置を用いたサルコペニア診断においてECW/TBWを考慮する重要性を提示する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年に20歳から89歳の地域在住者を対象にベースライン調査を実施した。その結果、ECW/TBWの増大には年齢が関連することを明らかにした。また、高齢者においては、加齢によるECW/TBWの増大が認められたが、筋量においては加齢による変化を認めなかった。これら地域在住者のECW/TBWと年齢との関連性およびECW/TBWと筋量との加齢変化における差異を明らかにした点ではおおむね順調であると考える。今後は主目的ではあるECW/TBWが筋量と筋力、身体機能、予後との関連性に与える影響の調査を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年の調査をベースラインとし、ECW/TBWが標準範囲の者とECW/TBWが標準範囲以上の者における予後との関連を調査していきたい。
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Causes of Carryover |
調査における人件費が概算より少なく収まった。次年度の人件費、その他(論文校正費)としての使用を計画している。
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