2023 Fiscal Year Research-status Report
短時間のオンライン軽運動教室が高齢者の脳機能に与える影響
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22K17846
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Research Institution | Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare |
Principal Investigator |
兵頭 和樹 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, その他部局等, 研究員(移行) (60782563)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高齢者 / 運動 / オンライン / 軽体操 / 認知機能 / 実行機能 / メンタルヘルス / fNIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会の中で、身体的・環境的要因から、社会参加や運動の機会が制限される高齢者が多いことが問題となっている。本研究では、オンラインを活用した低強度運動教室が高齢者の認知機能とメンタルヘルスに与える効果を検討し、多くの高齢者が実践・継続可能な脳機能を高めるオンライン運動教室のプログラム開発を目指す。 本年度は、参加者は通いの場に集まり、講師がオンラインで指導をする集団型オンライン運動教室が高齢者の認知・身体機能に与える効果の検証を実施した。運動群60名、通常の生活を送る対照群55名を対象とした。運動群は4つの通いの場に分かれており、それぞれ6ヶ月間、週1回45分の低強度の音楽に合わせた体操(スローエアロビック)と筋力トレーニング(スロートレーニング)をおこなった。運動指導は、Web会議ツールを用いた双方向での運動指導やyoutubeによるライブストリーミング機能を使い、エアロビックインストラクターが遠隔でおこなった。教室前、3ヶ月後、6ヶ月後に、体組成(SMIや体脂肪など)、身体機能(握力や歩行速度など)、認知機能(TMT)、メンタルヘルスを測定した。2024年度前半にすべての測定が終わり、解析予定である。 また、前年度までで実施した個人宅でのオンライン軽運動教室の効果検証研究における、認知課題中の脳活動データ(fNIRSで測定)の分析を進めた。本研究で新しく導入した脳機能イメージング装置であることから、前処理の方法や空間推定の方法などに関して、共同研究先との協力の元、一定の方法論を確立することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、本年度は集団でのオンライン軽運動教室の効果検証研究を推進することができた。前年度に実施した個人宅でのオンライン軽運動教室の効果検証研究に関しては、測定した脳活動データの分析を本年度で完了する予定だったが、新しい脳機能イメージング機器 (fNIRS) を用いたことから解析方法の検討などで当初の予定より時間がかかっている。しかしfNIRSの分析を専門とする共同研究者の協力の元、脳活動データの処理方法についてある程度確立することができたので、今後は順調に分析を進められる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、①個人宅でのオンライン運動教室の効果検証研究における脳活動データの解析・論文執筆を進めるとともに、②集団でのオンライン運動教室の効果検証研究を引き続き実施し、データの解析、論文執筆を行う。
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Causes of Carryover |
当該年度の研究に関しては、実験に予想していたよりも消耗品費や謝金がかからなかったことや、学会出張などがオンラインでなくなったことから当該年度の助成金の使用がなかった。今後は、介入実験に向けた消耗品、測定機器、参加者や実験協力者への謝金、国際学会参加費等に使用予定である。
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