2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K17854
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩政 勇仁 京都大学, 情報学研究科, 助教 (70854602)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 双劣モジュラ関数 / 共役性 / 交換公理 / 単体的複体 |
Outline of Annual Research Achievements |
離散凸解析における重要な関数クラスであるL凸関数は,ある特別な単体的複体の頂点上に定義された関数とみなすことができる.そこで「どのような単体的複体上なら適切にL凸性を拡張できるか」を念頭に,単体的複体の理論や性質に関する調査を行った.その過程で,球面と同相な単体的複体の頂点彩色間の遷移に対して,その遷移可能性をある程度特徴づける良い不変量や,遷移可能性判定問題の計算量の解析を行った.本研究成果は,"Reconfiguration of colorings in triangulations of the sphere"として論文にまとめ,理論計算幾何学のトップカンファレンスであるInternational Symposium on Computational Geometry (SoCG)に採択された.また,これに関連して,遷移制約を入れた彩色遷移に関する研究"Algorithms for coloring reconfiguration under recolorability digraphs"が理論計算機科学の国際会議であるInternational Symposium on Algorithms and Computation (ISAAC)に採択された. 本研究課題に関する基礎研究として,双劣モジュラ関数の共役に対応するBS凸集合に対する「hole-free性を仮定しない交換公理的な特徴づけ」を与えた.この成果は"Characterizations of the set of integer points in an integral bisubmodular polyhedron"として論文にまとめ,現在査読付き国際論文誌に投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
双劣モジュラ関数の共役に対応するBS凸集合に対する「hole-free性を仮定しない交換公理的な特徴づけ」は,離散凸解析における双対理論の深化に向けた基礎的かつ重要な成果だと考えている.また,単体的複体に関する文献の精査や研究も順調に進んでおり,研究計画はおおむねに順調に進展していると評価できる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の文献調査で得られた拡張の方向を念頭に,より一般的な単体的複体上の関数における双対理論の構築を目指す.
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Causes of Carryover |
予定していた出張に行けなくなってしまったため. 繰越金額と合わせて海外渡航費に用いる予定である.
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Research Products
(9 results)