2022 Fiscal Year Research-status Report
A study on practical algorithms for combinatorial optimization based on approximate submodularity
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22K17857
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
藤井 海斗 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 助教 (50884243)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | オンライン学習 / 相関均衡 / メカニズムデザイン / ベイジアンゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、近似的劣モジュラ性と深い繋がりをもつ、ゲームのsmoothnessについて研究した。ゲームのsmoothnessとは、任意の実行可能解において、各プレイヤーの逸脱が最適値との距離を十分に縮めるという性質である。この性質は、ある一定の条件下において、局所探索のための近似的劣モジュラ性(localizability)と等価である。 本研究では、情報がプレイヤー間で共有されていないゲーム(ベイジアンゲーム)において、smoothnessが満たされていれば、ある種のダイナミクスの収束先が近似的に最適であることを示した。このダイナミクスは、同じゲームを何度も繰り返す中で、各プレイヤーがオンライン学習のアルゴリズムに従って戦略を更新することで得られる。各プレイヤーがuntruthful swap regretと呼ばれる量を最小化すれば、このダイナミクスはコミュニケーション均衡(coordination mechanismとも呼ばれる)へと収束することを示した。untruthful swap regretを劣線形に抑える効率的なアルゴリズムを提案し、このアルゴリズムによって達成されるオーダーがそれ以上改善できないことも証明した。収束先のprice of anarchyがsmoothnessによって抑えられることから、このダイナミクスをシミュレートすることで、近似的に最適な均衡が計算できることが示唆される。この技術は、例えば既存のメカニズムから近似的に最適なメカニズムを導出するのに利用できると期待される。 また、劣モジュラ最適化に関する書籍(相馬輔氏、宮内敦史氏との共著)を出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は予想していなかったゲーム理論との繋がりが発見されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に得られた成果のさらなる発展を目指すとともに、他分野への応用を模索する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により国際会議への参加がオンライン参加となったため。
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