2022 Fiscal Year Research-status Report
脳内情報処理メカニズムを解明するための統計手法の開発
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22K17865
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松田 孟留 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (50808475)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ベイズ統計 / 統計モデリング / 適応推定 / 修正赤池情報量規準 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳神経データ解析に関する検討を開始するとともに、数理統計に関する理論研究を行った。
行列の縮小推定手法のノンパラメトリック推定への応用に関する研究を行った。まず、行列推定問題の無限次元版として多変量ガウス列モデルを導入し、そのパラメータ空間として多変量ソボレフ楕円の族を定義した。そして、Efron--Morrisによる特異値縮小推定量をもとにブロック型推定量を構成し、その適応性を証明した。未知の滑らかさやスケールだけでなく、任意の二乗損失にも適応することを示したのが本研究の特徴である。これは、パラメータ列の任意の線形結合のミニマックス推定を同時に達成することを意味する。技術的には、Efron--Morris推定量に対するオラクル不等式を導出したことが証明のポイントになっている。
修正赤池情報量規準の非許容性に関する研究を行った。誤差項の分散共分散行列が未知の多変量線形回帰モデルに対して、補正赤池情報基準が期待カルバック・ライブラー乖離度の最小分散不偏推定量であることが知られている。本研究では、カルバック・ライブラー乖離度を直接推定する問題を損失推定の枠組みによって定式化した。この定式化のもとでは修正赤池情報量規準は非許容的であることを示し、修正赤池情報量規準を優越する推定量を具体的に構成した。この推定量は回帰係数行列の特異値をもとにした補正項をもち、縮小ランク回帰の状況で特に良い推定精度を発揮する。数値実験の結果、構成した推定量によって修正赤池情報量規準よりも良い変数選択が行えることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数理統計に関する理論研究を2つ行い、それぞれプレプリントを公開した。
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Strategy for Future Research Activity |
脳内情報処理メカニズムを解明するための脳神経データ解析手法を開発する。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスによる海外出張・招聘のキャンセル
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Research Products
(3 results)