2023 Fiscal Year Research-status Report
脳内情報処理メカニズムを解明するための統計手法の開発
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22K17865
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松田 孟留 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (50808475)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 統計学 / 脳神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症や自閉スペクトラム症などの精神神経疾患に関わる遺伝子を探索するための統計手法の開発に取り組んだ。近年、ゲノム配列をもとに遺伝子発現を予測するPrediXcanなどの手法が整備されている。また、RNA-seqによって遺伝子発現を直接測定できる。本研究では、PrediXcanによる予測データとRNA-seqによる測定データを統合して疾患関連遺伝子を探索する手法を開発し、シミュレーションと実データによる検証を行なった。
脳神経データのための時系列解析手法の研究に取り組んだ。脳波には周期成分(periodic component)に加えて非周期成分(aperiodic component)が存在し、これらを適切に分離して解析するのが重要であることが明らかになってきている。そこで、状態空間モデルを用いて時系列データに潜む振動成分をデータ駆動的に抽出する振動子分解について、観測ノイズをホワイトノイズからピンクノイズ(1/fノイズ)に拡張することで非周期成分も分解できるようにした。また、脳内双極子から電極への順モデルを用いることで、複数電極の脳波データの振動子分解においてパラメータを削減して推定を安定化する手法を開発した。
この他に、特異値縮小型のノンパラメトリック推定に関する論文と修正赤池情報量規準の非許容性に関する論文が採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子探索のためのデータ統合手法を開発した。また、特異値縮小型のノンパラメトリック推定に関する論文と修正赤池情報量規準の非許容性に関する論文が採択された。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子探索のためのデータ統合手法に関する研究成果を論文にまとめる。
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Causes of Carryover |
計算ミスにより数万円の余りが生じた。研究成果を発表するための出張費に使用する。
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