2022 Fiscal Year Annual Research Report
脳の学習機構に学ぶローカル5Gのための需要変動に追随可能な無線アクセス制御
Project/Area Number |
22K17882
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
CHEN LU 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 助教 (60822872)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 無線ネットワーク制御 / 深層強化学習 / 進化アルゴリズム / ビッグデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ローカル5Gのために、需要を機敏に追随しながらも需要変動への耐性を有する無線アクセス制御を実現することが目的である。ローカル5Gは、企業や自治体が個々のニーズに合ったフレキシブルなネットワーク制御を可能にする一方で、その裏返しとして、ネットワークの末端部に位置する故に、大きな需要変動にさらされる。そのため、ローカル5Gにおけるネットワーク制御は、需要を機敏に追随しながらも、同時に需要変動への耐性が求められる。本研究では、手段として、人間の脳が過去に学習した知識を素早く想起できることを説明するアトラクタネットワークモデルをネットワーク制御に取り入れる。
令和四年度は、実モビリティデータを用いた無線通信ネットワークの制御に取り組んできた。ローカル5Gのアクセス制御で鍵となるD-TDD(Dynamic Time Division Duplex)は基地局のUL(UP LINK)/DL(DOWN LINK)スロットを、従来のように複数基地局間で同期することなく、ユーザの需要に応じて動的に制御することを可能にする技術であるが、隣接する基地局で逆方向のスロットが割り当てられた時、干渉が問題となる。そこでモビリティデータを用いてユーザが多い基地局に優先的に無線資源を割り当てる手法を提案した。モビリティデータは一日単位や一週間単位で周期的に変化するし、天候等の要因によって突発的に変化することもある。そのため、様々な周期性を学習しつつも突発的な変化に備えられる学習手法が求められる。そこで、アトラクタネットワークモデルを応用し、個々の機能を学習しながらも、状況に応じてそれらを組み合わせられるモデルを構築した。周期的データに対する学習速度の向上を確認しており、周期的でないデータに対する評価の分析を進めている。
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