2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Practical Post-Quantum Secure Messaging Protocols
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22K17892
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
勝又 秀一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (20844608)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 耐量子計算機暗号 / セキュアメッセージング / Messaging Layer Security |
Outline of Annual Research Achievements |
近年スマートフォンの普及に伴い、SlackやLine等のメッセージングアプリの利用が日常となっている。しかし、従来のメッセージングアプリでは、利用者の通信内容やそれに付随するメタデータは全てサーバーに筒抜けになっており、利用者のプライバシが著しく企業や政府によって侵害される事例がある。それに伴い、ここ数年はセキュアメッセージングプロトコル(SMP)の利用が拡大しており、SMの市場規模は2019年時点で3.8千億円、そして、2027年までには1兆円までに成長すると推測されている。 SMPは社会的意義が高く、安全性が非常に重視される技術であるため、まず、1つ目の課題として、SMPの暗号学的安全性を証明できるための安全性モデルの構築を挙げ、本年度は、SMPが満たすべき普遍的安全性要件を抽出し、汎用的結合可能性(UC)フレームワークを元に、任意のSMPが達成すべき安全性要件のモデル化を行った。 さらに、量子計算機が実現することで、現行の暗号技術が危殆化することが知られてるが、未だスケーラブルな耐量子計算機安全なSMPがなかったため、2つ目の課題として、量子計算機に対しても証明可能安全、かつ、スケー ラブルで効率的なSMPの開発を挙げた。本年度は、まず1つ目の課題で洗い出した各種安全性要件を誘発することができる暗号要素技術を調査し、その後、候補に挙がる複数の暗号要素技術の中でも量子計算機に対しても安全、効率的かつスケーラブルなものに着目し、SMPのモジュ ラー構成を行い、実装実験行った。 本研究で得られた関連成果は、IACRが主催する暗号理論分野トップ国際会議CRYPTOと EUROCRYPT、 ACMが主催するセキュリティ分野トップ国際会議ACM CCS、そして論文誌3件に採録された。
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