2023 Fiscal Year Research-status Report
GPU・FPGA複合型グラフ構造データ分析基盤の創出
Project/Area Number |
22K17895
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小林 諒平 筑波大学, 計算科学研究センター, 助教 (40783709)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | FPGA / グラフ / 正規パス問合わせ / GPU / グラフニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
研究では,グラフニューラルネットワーク (GNN) の学習精度の向上と学習時間の短縮を同時に実現する手法の確立を目指すため,GNNのグラフ特徴量抽出を正規パス問合わせ (RPQ:Regular Path Query) ベースの特徴量抽出機能で補完し,大規模並列処理を実行するハードウェアである Graphics Processing Unit (GPU) と再構成可能ハードウェアである Field Programmable Gate Array (FPGA) を適材適所的に活用するアプローチを推進している.GNN は大量の行列積和演算を内包しており,その演算に特化したハードウェアである GPU を GNN のための演算加速装置として用いるのは定石である.一方,RPQ評価はパスがクエリと一致しているか否かの条件分岐が大量に発生する演算処理であり,条件分岐や例外処理のない大量の単純並列性が演算対象に内在することが演算性能を最大限引き出すための前提条件となる GPU とは相性が極めて悪い.つまり,GPU に適した演算である GNN を GPU にオフ ロードし,GPU にとって不得手な演算であるRPQ評価をベースとしたグラフ特徴量抽出機能を FPGA にオフロードするという両デバイスの適材適所的な使い分けが有効であると睨んでいる. 2023年度は,入力となるグラフデータが大規模化した場合に備えるべく,RPQ評価をベースとしたグラフ特徴量抽出機能を複数の FPGA を用いて並列化する研究を実施し,その元となるFPGA実装を新たに提案した.また,代表的なグラフデータおよび GNN 実装間における学習時間と精度の推移評価をNVIDIA H100 GPUを用いて実施し,性能ボトルネックとなる箇所をNVIDIAのプロファイリングツールによって解析した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
◎RPQ評価をベースとしたグラフ特徴量抽出機能のマルチFPGA実装を可能にするハードウェアアーキテクチャを提案し,実データセットを用いて提案アーキテクチャが正しく動作することを定量的に確認した. ◎GPU部で動作するGNN実装やその性能解析をNVIDIA H100 GPUを用いて実施し,性能ボトルネックとなる箇所を概ね明らかにした.
|
Strategy for Future Research Activity |
GPU・FPGA用の各種プロファイラを用いて,RPQ評価をベースとしたグラフ特徴量抽出機能のFPGA実装およびGNNのGPU実装の最適化作業を継続しつつ,GPU・FPGA連携によるグラフニューラルネットワークの高速・高精度化を実施していく.
|
Causes of Carryover |
昨今の円安・インフレの影響が非常に深刻であり,学会参加費や論文出版費はじめとした研究成果発表に係る費用を確実に確保するべく,当初計画されていた設備備品の購入を見送ったために繰り越しが発生した.なお,この設備備品は別予算で既に調達済みであるため,研究遂行に支障はない.
|
Research Products
(5 results)