2022 Fiscal Year Research-status Report
大規模時系列テンソルの動的構造化アルゴリズムの開発
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22K17896
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川畑 光希 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (20910053)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 時系列解析 / テンソル分解 / データストリーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究の目的である時系列テンソル(多属性・多次元時系列データ)の動的構造化アルゴリズムの基盤となるモデルを開発した。構造化の基本的なアプローチとして、属性や次元間の関係性(ネットワーク構造)の抽出が有効である。ひとつめの成果として、テンソルデータに含まれるセンサや地域等に隠された関係性を多層的に表現し、重要な関係性の総数と特徴を自動的に推定する手法を開発した。提案モデルは、相関関係を疎にする効果と多層構造によるネットワークの簡素化により、解析結果の解釈が容易であるという特長がある。ふたつめの成果として、非線形性を有する時系列テンソルに含まれる相互作用を、ネットワーク構造として抽出する手法を開発した。提案手法は、さまざまな活動履歴データに対して適用可能な汎用性の高い技術であり、高次元データを解釈可能なパターンへ自動的に分割しながら、高精度に将来予測をし続けることが可能である。さいごに、観測データが次元数に対し疎になる超高次元データを対象としてリアリタイムに時系列パターンを発見するアルゴリズムを開発した。本成果を応用することで、上記ふたつのアルゴリズムを超高次元データへと適用することが可能になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
開発したモデル・アルゴリズムはいずれもデータマイニングに関するトップ国際会議に採択されており、高く評価されている。アルゴリズムの一部に自動化や逐次化のアイデアが含まれており、今後の技術発展にも大きく寄与する。当初の予定通り、これらの基盤技術に時系列解析以外のタスク(分類・回帰)を解く機構を組み合わせ、より高度なリアルタイム技術の開発を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの開発手法から得られる時系列パターンを活用されるような分類・回帰タスクを設定し、時系列テンソルとラベルデータを統合的に解析するためのアルゴリズムを開発する。アルゴリズムの自動化・高速化を行い、実用に足る性能を発揮するだけなく、統合的な解析によって、データから新たな知見が得られる技術の開発を目指す。特に、タスクによって注目すべきパターンの相違点を明らかにし、重要性を可視化できることが望ましい。さまざまなドメインのデータで実験を行い、汎用性を検証する。
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