2023 Fiscal Year Research-status Report
a64fxスパコン上での近似最近傍探索による高速大規模マルチメディア処理
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22K17906
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松井 勇佑 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 講師 (80780676)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 近似最近傍探索 / データ構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2022年度から引き続き理論的な貢献を行った。特に、以下の3点について大きな貢献を実現できた。(1)マルチメディア分野トップの国際会議であるACM Multimediaに論文が採択され、発表を行った。この内容は、現在の主流の探索方式であるグラフベースデータ構造について、2系統存在する構築方式を整理しそのいいとこどりをするものである。これにより、従来と同程度の性能を達成するデータ構造を、従来よりも数倍高速に構築できる。グラフベース近傍探索方式の探索精度や速度を向上させる取り組みは多いが、構築時間を考慮する取り組みはまだ少なく、本研究はあらたな分野を切り開きうる内容であるといえる。(2)探索に関する国際コンペティションSISAP Index Challengeに参加し、いくつかの部門で世界二位を達成することが出来た。ここでは、探索の開始点やデータサイズを最適化するという実用的な方式を提案した。近傍探索は実用に近い技術でありながら、本当に精度や速度をチューニングしようとすると、チューニングできる部分が少ないという問題があった。本提案では、実用的なパラメータチューニングのガイドラインを与えた。(3)コンピュータビジョン分野最大の国際会議CVPRにて、探索に関するチュートリアルを行った。ここでは、国際的な第一人者であるMartin Aumullerらとともに、探索に関する最新技術を俯瞰することが出来た。この内容は今後の探索分野の方向を示す指標になったと自負している。今後も引き続き探索に関する研究を深めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ACM Multimedia採択、国際コンペティション第二位、CVPRチュートリアルという結果を得た。順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究を進めていくとともに、近年大きな盛り上がりを見せている「ベクトル探索データベース」に対するコミットが出来ないかどうか見極めていく。
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