2023 Fiscal Year Research-status Report
シャック・ハルトマン波面センサ用いた動的光線空間の撮影及び処理に関する基礎研究
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22K17909
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
都竹 千尋 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20884240)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | シャック・ハルトマン波面センサ / ホログラフィ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,シャック・ハルトマン波面センサの光学系がマイクロレンズアレイと撮像素子で構成されることに着目して,実空間を飛び交う動的な光線群の明るさ(動的光線空間)を記録するカメラシステムの構築を目指すと共に,光線群に含まれるリッチな時空間情報に対する三次元信号処理の体系化を目的とする.本研究で提案するカメラは空間方向のサンプリングが疎であるものの,角度及び時間方向のサンプリングが密であり,従来のプレノプティックカメラと真逆の性質を持つ.このようなカメラで撮影された動的光線空間の応用を念頭に,2023年度は,ホログラフィックステレオグラム用いて動的光線空間を実機表示する研究に取り組んだ.本実機システムは,焦点距離75[mm]と35[mm]の凸レンズを組み合わせたフーリエ光学系からなる.動的光線空間から計算したフーリエホログラムを空間光変調器に表示し,これにコヒーレント参照光を照射することによって,三次元像が空中結像する.焦点距離25[mm]のレンズを備えたカメラで三次元像を観測したところ,奥行きに依存した視差及びぼけ感が観測された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度計画は,SH波面センサで撮影した動的光線空間の処理及び応用に取り組む予定であったため,順調に計画が進んでいると判断される.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に当たる2024年度は,動的光線空間の撮影及び表示の高精度化を目指す.具体的には,2023年度に構築した光学システムでは収差に代表される様々な歪が生じるため,これを打ち消すように,カメラで観測した三次元像をホログラムにフィードバックするシステムを構築する.このようなシステムはカメラインザループと呼ばれ,静的ホログラフィに対して有効であることが知られている.本システムにおいては動的な三次元像をフィードバックすることになるため,このような動的システムに適用できるように進めていく予定である.
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Research Products
(4 results)